Images大全⑦~競技中の頭の中編~

メモリーアスリートのつぶやき

こんにちは。
メモリーアスリートの山口です。

かなり間が空いてしましましたが、Images大全を更新します。

今回はシリーズ7本目、Images大全第7弾~競技中の頭の中編~です。
第1弾から第6弾までを読んでいない方は、ぜひ先にそちらを読んでみてください。
特に前回の記事は今回の記事の前提となっている部分が多いので、先に読んでおくことをお薦めします。

今回の内容は、実際の競技中の僕の頭の中を覗くような記事になっています。
言語化するのが難しいところですが、なるべくわかりやすく伝えられたらと思っています。

それではいきましょう。Let’s go!

競技前の頭の中はプレイス

競技中の話の前に、競技前の僕の頭の中はどうなっているのでしょうか。

競技が始まる前は、プレイスで満ちています。
これは第3弾~準備、意識すること編~でも少し話しましたね。
その時は雑念をなくすということをお伝えしました。もちろん雑念をなくすことは重要ですが、それだけなら別の方法でも雑念をなくせそうです。今回は少し視点を変えて考えてみましょう。

競技が始まってから脳の労働力を一番割く必要があるものって何でしょう。
もちろん画像ですよね。この競技は画像を覚える競技ですから、画像を見てそれらをどうするかに脳の労働力を使いたいわけです。
ということは、競技中、プレイスやルートへの意識は限りなく薄くしたいんですよね。プレイスやルートを考える分の脳を画像に注ぎたいんです。

というわけで、競技が始まる前にルートを辿って頭の中を100%プレイスでいっぱいにするというのは、「競技中プレイスへの意識を可能な限り薄くし、イメージに集中するため」という理由でもあるんです。
自分がそのプレイスにいる感覚になるくらいまでになると非常に良いです。

競技中の頭の中

さて、本題です。
競技中の頭の中はどうなっているのか、実際に僕が使っているプレイス(こたつ)と、前回の記事でも使用した画像を例に使いながら説明しましょう。

まずはこちらを見てください。

このルートを作ったのがたまたま冬でした ルートの特徴から作った季節がわかるのも面白いですね


僕の中で、こたつというプレイスの中で置く場所はさらに決まっていて、図の青い部分です。
ここより上でも下でも右でも左でもなく、ここと決まっているんです。
さらに言うと、どこからそのプレイスを見るかという視点も固定されています。

なぜここまで細かく決めているのか。
それは、置く場所を決めていないとそのプレイスの中のどこに置くのか悩む時間が生じてしまうからです。
こたつの中にしまうのか、こたつの上に置くのか、こたつを突き破って出てくるのか…
このように考える時間はかなりもったいないです。
タイムを縮めるためにはこういう時間をどんどん削る必要があります。

このようにまずプレイスを思い浮かべてから、イメージを見たとき、頭の中では先ほどの青い場所にそのままイメージが出てきます。

ここから、SS2in1に基づいて、どのように2枚の画像を1枚にするかを決定するフェーズに移ります。
※SS2in1はSnapShot 2in1の略。(Images大全④~SS 2in1編~を参照)
特に工夫を入れることなくこのまま置く場合(左右関係)はこれで完了です。
今回は前回の記事で上下関係として紹介した例を使っているので、上下関係で覚えます。

最終形態はこの図ですね。
このようにプレイスにきちんと置く作業が完了したら、次のプレイスに行って…という感じです。

実際は…?

この一連の流れを全プレイス同じようにやっています。
いや、やっていました。始めたころは確実にこの段階を踏んで覚えていました。
ただ、今現在僕が毎回プレイスを浮かべるところから最終形態までここまで丁寧に段階を踏んでいるかと言われると、答えはNOです。

タイムを縮めていく過程の中で、次の二つの作業が限りなく瞬間的なものになります。
①プレイスからプレイスへの移動
②2つの画像を1つにまとめる
この結果何が起きるかというと、①と②が同時に処理されるようになるんです。
先ほどの話で言えば、場所移動した瞬間に最終形態が完成している感じです。

場所移動した瞬間にこうなっている!

ここまでくるとかなり洗練された状態だと思います。
もちろん感覚的な話なので、実際に脳を解析して細かく調べたらちゃんとステップを踏んでやっているのかもしれませんが…

タイマーを止めてからリコールまでの間

タイマーを止めた後は脳内でリコールをします。

脳内リコールの順番としては、
詰め込み前の3プレイス(21~26枚目) → その他
という感じです。

この順番の理由は、個人的に詰め込み前の3プレイスが抜けやすいので、早めに脳内リコールをすることで記憶を固めたいからです。
詰め込み前の3プレイス以外の脳内リコールについては、特に順番を決めていません。
先頭から順番に思い出す時もありますし、中盤から思い出していくときもあります。

基本的には、自分が抜けやすいところを認識したうえで、その部分を早めに脳内リコールすることで記憶の強度を補えていれば良いのではないかと考えています。

競技中のプレイスとイメージの比率

時々こういう質問を受けます。
「競技中ってどれくらいの鮮明度で場所を想起してるの?イメージとプレイスの感覚ってどういう感じなの?」
これ、気になりますよね。僕も世界で活躍しているメモリーアスリートがどのような感覚なのかめちゃくちゃ気になります。

僕の感覚としては、鮮明度はイメージもプレイスも100%に近いレベルでやっています。
プレイスはもうその場にいるくらいの感覚ですし、イメージも見たものをそのまま置く感覚(これは僕のシステムだからというのもあるかもしれません)なので、どちらもはっきりと思い浮かべています。

一方で、意識の話になると、限りなく10:0で画像に集中しています。
ここまで何度も言っているように、プレイスについてはもうその場にいる感覚なので、競技が始まってからプレイスに意識を向けている感じはしません。
意識としては、自分がいる場所にイメージを置く作業を繰り返している、という感じです。

記憶に色はついているのか

この質問もよく聞かれます。
「プレイスや記憶したイメージに色はついているの?」

答えは、半分YESです。

まず、Imagesは画像を覚える競技なので、そもそも記憶する時点で視覚からの情報として色が入ってきます。
同じような風景、建物、花などが出てきやすいこの競技において、色による識別はかなり大事になってくるので、画像については基本的に色ごとインプットしています。

ただ、プレイスについては、色がついているかと言われると微妙です。
最近この質問をされた時に考えてみて、「まあ言われてみればついてるかも?明るいか暗いかくらいは意識としてあるかも?」とかすかに思いましたが、このあたりは普段あまり意識していません。
特に理由があるわけではないのですが。

プレイスについては、ある程度慣れてきたら色を鮮明に意識しなくてもそのプレイスであることを認識可能になるので、意識していないのだと思います。
極論、各プレイスごとに識別が出来れば、その時点で各プレイスは役割を果たしてくれるので、色以外(位置関係や形など)で識別ができていれば色について執着する必要はない気がします。

正直、かなり細かい話なので自信をもって言えませんが、もちろん、色まではっきり想像している方も多くいらっしゃると思いますし、どちらが正しいというのは無いと思います。

「競技中の頭の中」編まとめ

今回の記事はいかがだったでしょうか。

あくまで個人の感覚なので、参考程度にしていただけたらと思います。
(僕のやり方が特殊すぎて参考にならないという意見を最近多々受けておりますが…)

人が頭の中で想像しているものを実際に見ることはできないので、他のメモリーアスリートがどのような意識で記憶しているのか、僕自身とても気になりますね。
今度BSAのライターの皆さんにも聞いてみたいと思います。

さて、第7弾にまで及んだImages大全ですが、僕が書きたかった内容は一通り書き終えました。
現時点での僕なりの感覚や練習法、知識を全て詰め込んだつもりです。
もちろん、今後新たに得たものがあったり、今までに紹介したものの中で新しく変わった部分があれば、追加で記事を書きたいと思います。質問や意見をいただいた場合についても記事にするかもしれません。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!