文系と理系どちらが良いのか?

メモリーアスリートのつぶやき

青木です。昨年「メモリーアスリートは、文系が多いのか?理系が多いのか?」という記事を書きました。

気になった方は読んでみてください。

意外と反響があったこの記事ですが、先日たまたま立て続けに中学生と高校生に「文系に進むのがよいのか?それとも理系に進むのが良いのか?」という質問をいただきました。
「どっちが良くてどっちが悪いか?」ということはなかなか一言で表せないですし、同じような疑問を持っている学生も多いと思ったので、今回記事化しました。

今回は理系(農学部)出身の視点として、受験生、大学生(大学院生含む)、社会人の3つ段階として書いていきたいと思います。あくまで個人的な経験を元に書いていることですし、個人的な意見なので、絶対的に正しいわけではありません。また文系理系のどちらが優れているという内容ではないので、誤解のないようお願いいたします。

受験生(高校生・浪人生)

近年推薦入試で入学する人もかなり増えているようですし、大学や学部によって大きく難易度が違いますが、文系の学部に入るにしろ、理系の学部に入るにしろ大学に入るために必要な科目を勉強しなくてはいけません。

そして、高校1年か遅くても高校2年の間には、「文系に行くのか?理系に行くのか?」を選択しなくてはいけません。

僕に質問をしてくれた学生のように文系に行くか理系に行くかで悩んでいるような学生はある程度学力は高い層であると考えられます。その理由は、5教科(国語・英語・数学・理科・社会)の中で、圧倒的に難易度と積み重ねが重要な数学が理系に行くには必須だからです。
(良いかどうかは別として)逆を言うと、数学が苦手だから文系を選んだという人が世の中にかなり多く、東京大学や京都大学を始めとする旧帝大、一橋大学や慶応大学経済学部などの一部の超難関の文系志望の受験生を除いて、全く数学をやることなく受験することができるのです。

国公立でも私立でも文系志望の学生は数学を全くせずに、または負担が軽く受験できるのは、かなり負担を減らすことができるのは大きなメリットでしょう。

大学や学部などによって違いはあるものの、ある程度ハイレベルな大学の標準的な科目として、国立と私立、理系と文系で必要な科目を書き出してみました。

国立理系(東大・京大・国公立医学部を除く)
数学(Ⅰ A・数学 Ⅱ B・数学 Ⅲ C)・英語(読解・リスニング)・理科2科目(化学・物理 または 化学・生物)・国語(現代文・古文・漢文)、社会1科目(地歴・公民)
※社会は公民を選択する人が多い

国立文系(東大・京大・一橋大などを除く)
数学(Ⅰ A・数学 Ⅱ B)・英語(読解・リスリング)・国語(現代文・古文・漢文)・社会2科目(地歴・公民)・理科2科目(化学基礎・物理基礎 ・生物基礎・地学基礎)
※理科は生物基礎と地学基礎を選ぶ人が多い

私立理系
数学(Ⅰ A・数学 Ⅱ B・数学 Ⅲ C)・英語(読解)・理科2科目(化学・物理 または 化学・生物)
※大学によっては数学Ⅱ Bまでだったり、理科が1科目の場合あり

私立文系
英語(読解)・国語(現代文・古文)・社会1科目(地歴)
※大学によっては2科目や国語が現代文のみの場合もあり

上記のように文系と比較すると理系の方が、国立と私立では国立の方が勉強する科目や範囲が多くなります。

意外と盲点ですが、理系の場合は、数学Ⅲ・Cという理系だけが勉強する更に難易度の高い数学を勉強する必要があります。
この数Ⅲ・Cがかなりの曲者で、自分の経験上ですが、数学 Ⅲ Cだけで理科1科目分くらいの負担はあると感じます。例外になっている東大は二次試験で文系では数学があり、理系では国語があります。国立医学部を受験するとなると、理科が3科目の大学もあるので、さらにハードルが上がります。

理系の方が文系と比較して偏差値が低く、国立の方が私立よりも偏差値が低く出るのは、”科目数が多いこと”や”学力層の高い学生が理系や国立に集まる”という傾向にあることが理由です。

あくまでざっくりとした基準ですが
国立+5 ≒ 私立、理系+5≒ 文系
と考えるとわかりやすいようです。

このように考えると、受験を乗り切るという面だけでいうと、私立文系専願が圧倒的に負担が軽いので楽になるでしょう。

これは個人的な粗目の見解ですが、世間一般で高学歴と言われるような大学に合格するには、

私立文系:1〜1.5年
私立理系:2〜2.5年

国立文系:2〜3年
国立理系:2.5〜3年
東大京大など・国立医学部:3〜5年

くらいの勉強は必要だと思います。
僕自身の能力の問題もあるかもしれませんが、国立医学部を志望し受験勉強は3.5年勉強しても合格できなかったので、このくらいの期間は集中して勉強しても落ちる人もいると思った方が良いかもしれません。

「早稲田大学でも理系と文系では、合格には理系の方が最低でも1.5倍は勉強が必要である」と話している予備校の先生もいました。

少しでも負担を軽く一般受験を乗り切るという視点だけで見ると、

国立理系<国立文系私立理系専願私立文系専願

となるでしょう。

大学生・大学院生

多くの学生が必死に勉強して、大学に入学すると思いますが、大学入学後も文系と理系で学生生活は大きくことなります。文系も理系も1,2年生の教養を学ぶ時は週3〜5日で授業はあると思います。
理系の場合は、ここにプラスして実験が入ります。

僕の通っていた明治大学農学部は、通常の座学は1コマ(90分)2単位に対し、2コマ(180分)1単位でした。
また実験は事前準備(器具の準備・移動・着替え)や片付け、レポートなどがあるため非常に時間がかかります。

また理系の方が出席に厳しい傾向にあるので、単位を落としたり、留年する学生の割合も文系と比べて多くなります。これは学部問わず、理系に共通したあるあるではないでしょうか。

3〜4年生からは研究室に所属するため、僕のように生き物を扱うような学部の場合は、動植物の世話をする必要があり、1,2年生と比較して授業数が減っても、通学し研究室の仕事をしたり、卒業論文のための実験を少しずつ進める必要があります。

僕も大学3,4年生の時は夏休み、冬休みなども関係なく、週3〜6で通学していた記憶があります。

学部卒で就職する場合は、この合間に就職活動をする必要があります。大学院や公務員試験を受ける場合は、その試験に向けた受験勉強をするという必要があります。
僕の場合は、外部の大学院を目指しながら、平行して内定したらいきたい企業のみ就職活動をし、さらにアルバイト(家庭教師)、メモリースポーツの練習をしていたので、大学3,4年生の時はハードな生活をしていました。

文系学部に通っていた友人達に聞くと、大学1,2年生の時にしっかりと単位を取得しておけば、3〜4年は週1,2日の授業とゼミのみという話をしていました。
複数の大学の友人が同じようなことを言っていたので、おおよそこのような感じなのでしょうか。(中には忙しい人もいるでしょうが…)

このように考えると、勉強量や大学の活動に取られる時間は理系の方が圧倒的に多くなります。

大学時代にたくさん勉強したいという人は理系、大学ではゆったりと過ごしたり、趣味などに没頭したりと、自由な時間を多く持ちたい人にとっては文系の方が楽しめると思います。

理系の学生が文系の学生に対して「こっちは理系だから〜」などとマウントを取るような発言をすることがありますが、それは理系学生の文系学生に対する嫉妬です。笑

理系は文系と比較して

・理系は受験勉強も大変なのに、大学に入っても勉強も大変
・理系は男子ばかりで女子が少ない(たぶん男子限定の不満?)
・文系はサークルにバイトに旅行など楽しそうで、時間的な余裕があって羨ましい
・文系は都会のおしゃれな場所にキャンパスがあり、キラキラしている(理系はだいたい田舎)

というイメージがあるので、とても羨ましいのです。
僕自身も、文系の学生はキラキラしていてとても羨ましかったです!

文系学生のイメージ(なぜか海外風)

ここまでは文系の方が良さそうな感じですが、大学3,4年生になると、文系の学生のほとんどは学部卒で就職活動をします。理系の学生は、大学院への進学を視野に入れます。
理系で学部卒で技術職(専門職)につける可能性は低いので、技術職にもつける可能性を残したい場合は、大学院に行くのがセオリーとされています。

また大学受験で希望の大学に入れなかった場合でも、大学院入試に合格すれば、自分の行きたい大学院の研究室で研究することができます。
僕の通っていた明治大学農学部の同級生にも、大学受験で落ちた東京大学や京都大学などの旧帝大などの超難関大学の大学院に進学した人が非常に多かったです。
高い学力があり、大学院入試に合格する自信がある場合やより良い研究環境を求める場合は、外部の大学院に受験するのもありだとは思います。

私立大学で内部推薦する場合は、院試浪人のリスクなく、早い段階で進路が決まるというメリットがあります。内部進学で大学院にいく場合は、面接や軽い研究計画書程度で合格する場合が多いようです。

専門的な勉強をしたい場合、大学受験に納得できない場合や社会に出るまでのモラトリアム期間が欲しい場合は、大学院は大きな魅力だと思います。

また理系の場合は、学部卒の場合は一部の技術職と総合職、院卒の場合はほとんどの技術職と総合職にエントリーすることができます。(中には博士課程を必要とする職種もあり)

理系の学部卒や院卒の学生が技術職でなく、外資銀行やコンサル、広告やマスコミ(テレビ・出版など)に就職するということも実は珍しくありません。理系の場合は選択肢が多いので、給与水準の高い企業にも応募する場合が多いのです。

文系の学部卒の学生は、たくさん勉強してきた高学歴な理系学部卒・院卒と戦いをどう乗り越えていくのかというのが大きな課題だと思います。自分を他社とどう差別化するのが、大きな課題です。いわゆるガクチカ(学生時代力を入れたこと)が必要になるわけです。

誰もが一度は「理系の方が就職が良い」という言葉は聞いたことがあると思いますが、理系の方が就職の選択肢が広く、たくさん勉強をしてきた(せざる負えなかった)ため基礎学力が高く、学生時代にやってきたことが明確なので、筆記試験にも面接にも強いというのが挙げられます。
それだけではなく、大学や研究室によっては、コネで就職先を斡旋してもらえるということもあります。

大学生活を楽しみたいという方は文系
就職や将来を見据えて備えたいという方は理系

の方が良いと言えるでしょう。

社会人

僕は明治大学農学部を卒業した後、一度就職し大学院に入学するという少しイレギュラーな進路を歩んでいますが、社会人では文系と理系のどちらが良いのでしょうか?

まずは待遇面ですが、企業によって待遇などは給与や福利厚生などはまちまちですが、
基本的に学部卒であろうと院卒であろうと、文系でも理系でも同じ職種の場合、給与は変わりません。
ただし院卒の場合、入社が最短で2年間遅くなるので、初任給は数万円ほど高く設定されている企業が多いようです。

大卒と大学院卒では生涯年収にどれくらい差が生まれる?(Yahooニュース 2021年11月23日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a8bb793a0eebdab7de470617eb7afbd1d9db3af7

しかし、「メモリーアスリートは、文系が多いのか?理系が多いのか?」でも書きましたが、世間一般的には圧倒的に文系が多く、理系が少ないので、希少性からちょっとした場面で理系が重宝されることがあります。

以前私は出版社に勤務して営業職をしていましたが、大学の専門で学んだ農業の知識が、書籍のプロモーションやファクトチェックなどで役に立った経験があります。
また自然科学系の書籍を出版している部署への異動を希望する場合は、その知識を生かせるため有利に働く場合があると言われていました。(どこまで本当かはわかりませんが)

文系でも理系でも自分の学んできたことを、職業に生かせる場面はあるでしょうからあまり関係がないかもしれませんが…

一度企業に就職してしまえば、自分が学んできたことや持っている力を仕事上でどのように発揮できるかが一番大切なので、会社に入った後で文系か理系か、難関大卒か院卒かどうかが関わる場面はほとんどありません。仕事が出来なければ仕事は、回ってこなくなります。

まして僕のように起業する場合は、東大を出ていても仕事で社会的な価値を出すことが出来なければ、会社は潰れてしまいます。自分の力がそのまま結果として出るので、文系理系、学歴のようなものは全く関係ありません。

まとめ

理系出身の僕の視点で、受験生から社会人まで各段階で文系理系について書いてきましたが、いかがだったでしょうか?
今回の記事は、あくまで傾向の話をしています。
僕個人の考えですが、今回の記事を見て「一般受験は私立文系専願が楽だから、私立文系にする!」というように決めるのではなく、自分が学びたい内容が学べる大学を受験することをおすすめします。その方が大学に入った先で有意義な学生生活を送れると思います。
「やりたい勉強がある!」、「なりたい職業がある!」など選択によって個別事象は必ず発生すると思うので、自分の志望校で必要なことを確認するようにしてください。今回の記事は、大局的なものとして参考にしてもらえればと思います。