記憶術を極めたら東大に合格できるのか?

メモリーアスリートのつぶやき

以前メモアカのYouTubeチャンネルにこのような質問をいただきました。

すごく面白くシンプルでわかりやすい質問ですね。

この質問に真剣に考えてみたいと思います。
東大には推薦入試がありますが、ものすごく少数の争いですので、おそらく質問をくださった方の意図としても一般入試での合格をイメージされての質問という前提で回答します。

またドラゴン桜を知らない方のために簡単にドラゴン桜を説明すると、
「偏差値32の高校から高校3年生の1年間の東大合格をする」というストーリーの漫画です。僕も全巻読みました。


2005年と2021年にドラマ化されてますね!
2005年は僕も高校生だったので、リアルタイムで見てましたね。

ドラゴン桜2のホームページ
https://www.tbs.co.jp/dragonzakura/

結論から言いますと

受験に使用する科目が偏差値32からでは非常に厳しい

と思っています。

「受験する科目が」と言ったのは、時々受験で使用しない科目の偏差値を言って、「逆転合格しました!」というような広告を見かけるからです。

まず東大の受験科目を丁寧に見ていくと、

文系の場合

共通テスト(900点→110点へ圧縮)
国語(現代文・古文・漢文)200点
英語・リスニング 200点
社会 2科目(世界史・日本史・地理から選択)200点
理科 2科目(化学・生物・物理・地学から選択)100点
数学 2科目(IA&ⅡB)200点
※公民や英語以外の外国語などは主流でない科目は除外しています

二次試験(440点)
国語(現代文・古文・漢文)120点
社会 2科目(世界史・日本史・地理から選択)120点
数学 2科目(IA&ⅡB) 80点
英語・リスニング 120点

理系の場合

共通テスト(900点→110点へ圧縮)
国語(現代文・古文・漢文)200点
英語・リスニング 200点
社会 1科目(世界史・日本史・地理・倫理・政経から選択)200点
理科 2科目(化学・生物・物理から選択)100点
数学 2科目(IA&ⅡB)200点
※地学など主流でない科目は除外しています

二次試験(440点)
国語(現代文・古文・漢文)80点
理科 2科目(物理・化学・生物から選択)120点
数学 2科目(IA&ⅡB&ⅢC) 120点
英語・リスニング 120点
面接(理Ⅲのみ)


文系は一般的に理系に比べて楽に合格できると思われがちですが、東大を含む上位の学校は全くそのようなことはありません。東大や京大、一橋などを含むトップ校は数学と理科が受験科目として課されます。
特に東大の場合は理科2科目と数学IIBまで学習する必要があり、数学に関しては二次試験まで必要となります。しかも東大の文系数学の問題は、しっかりとした基礎学力と深い思考が必要な難易度の高い良問が多いことが特徴です。

理系についても、二次試験で国語があり、現代文のみでなく古文や漢文も課されます。共通テストのような選択問題ではなく、文章を訳すなどしっかりと勉強をしていないと解けない問題も多いことが特徴です。

センター試験から共通テストに変わり、単純な知識などが問われる問題から思考力が必要とされるような問題が増えています。また東大の二次試験も知識を前提とした思考力や発想力が問われる問題が多いです。

そのため、問題を解くためのベースとしての知識を記憶する力は当然重要ですが、それだけでは太刀打ちできず、長いスパンでの勉強習慣や生活の習慣などが大きく関わってくると思います。
これは記憶力の高い人をほしいというよりは、勉強に対する習慣や日常生活の中で興味を持ったり疑問を持つような知的好奇心を持っている人を東大が欲しているということなのかもしれません。(青木個人の見解です)

上記の文系理系の説明であったように東大は非常に多くの科目が課されます。
受験において科目が多くなればなるほど、逆転合格が起きにくく、実力通りの結果になりやすいと思います。(トップ層になればその差もわずかなものになりますが…)
私立文系では科目数が少なく、マニアックな知識問題が出題されたり、特定の分野に偏った問題になることも多いので、良くも悪くも一発逆転は起こりやすいですが、東大にはそれはほとんど通用しないと言って良いでしょう。
自分の周囲にも「偏差値50台でMARCH全滅だったけど、なぜか慶応だけ受かった」や
反対に「早稲田と慶応と東大うけて、慶応だけ落ちた」という話は時々聞きます。

なので、先ほどの結論に追加すると

ビリギャルはあり得るけど、ドラゴン桜は不可能に近い

という感じでしょうか。
ビリギャルは中高一貫校の進学校に入学した後に一時的に落ちこぼれてしまった女子学生が、私学最高峰の慶応大学総合政策学部(受験科目:英語&小論文)に高校2年の夏から勉強して合格するというストーリーなので、簡単ではないでしょうが、地頭の良い子がしっかりとやるべき対策をしっかり行って、受かるべくして受かったという印象です。(青木個人の感想です)

ビリギャル

ビリギャルの映画の予告編です

少し話が逸れましたが、ではどうやったら東大に合格できるのでしょうか?

東大の合格者の内訳を見ると、おおよそ7割が灘、開成、桜蔭などの全国的にも有名である超進学校と言われる私立や国立の中高一貫校から合格をしています。特にまたその中でも鉄緑会(後述)出身の人が多いようです。
昔は日本全国の公立の進学校からもかなりの人数が合格していたようですが、今では日比谷高校(東京)や横浜翠嵐高校(神奈川)、県立浦和高校(埼玉)など超名門の公立高校を除いてはかなり厳しい状況だと思います。

東京大学合格者ランキング(インターエデュ)
https://www.inter-edu.com/univ/2022/jisseki/todai/ranking/

公立の高校よりも国立や私立(一部公立も含む)中高一貫校が東大受験に圧倒的に有利なのには理由があります。
その理由の代表的なものを2つ説明します。

①6年間という長い時間で受験を意識できる
公立高校の場合は、高校受験を経てその3年後に大学受験をします。一方、中高一貫校は6年間かけて受験の準備ができます。友人に桜蔭や麻布や開成、灘出身の人がいますが、「高校1年か2年までには学校のカリキュラムで、高校3年までの範囲は終わっていて、その時点でMARCHレベルであれば合格できる水準にあった。その後に最低1年間は自分の受験する大学や学部の傾向に向けた準備ができる」と言っていました。
知っている人は知っているでしょうが、東京都と大阪には鉄緑会という日本トップレベルの塾がありますが、鉄緑会出身の別の友人は、「鉄緑会では中学3年か高校1年の終了時点でほぼ高校3年までの範囲を終えて、2〜3年かけて東大や京大、医学部で出題されるような難易度の高い問題を解く」と言っていました。
普通の中学3年生が高校受験を目指して中学の勉強をしている間に、超トップ層の中学3年生は大学受験を目指して勉強をしているわけです。このように、東大を目指す生徒は数年先取り学習をしているので合格しやすいのです。この差は公立高校に行っていてはなかなか埋まらないと思います。

②周りのクラスメイトや部活の先輩が東大を受けるから
トップの中高一貫校からは毎年たくさんの生徒が東大を受験をします。部活の先輩が実際に東大に合格したり、同じクラスの友人が同じ大学を受験するのは合格へのイメージが描きやすいという特徴があります。
学年で何番くらいにいれば東大に合格できるのか、どのくらいの偏差値を取っていれば合格できるのかということが実際に知った人の顔を見て判断できるというのはとても大きなメリットです。
地方の高校では、周囲に東大を受験する人がいない場合が多く、数ヶ月に1回の模試だけでは自分の立ち位置が見えづらいだけでなく、孤独になり不安になりがちです。また周囲からのプレッシャーがあったり「東大なんか受かるわけがない」という周りの空気感に押しつぶされそうになる場合もあります。
トップ校の学生は団体戦、日比谷など一部の公立を除く高校の学生は個人戦という印象です。

上記の2つ以外にも理由があるかもしれませんが、基本的に圧倒的に私立や国立の中高一貫校が有利です。
そのため東大に入ることだけを考えるのであれば、記憶術を極めることよりも、灘や開成、桜蔭などの中高一貫校の超進学校に入る方が合格率が高まるでしょう。そしてできれば鉄緑会に入って、圧倒的な先取り学習をこなしていくことが東大合格において近道だと思います。
※鉄緑会は指定校制度があるので、指定校以外の学校の生徒が入るのは難易度が高いようなのでご注意ください

たまに地方の公立高校の天才が東大に合格するということがありますが、それは異例中の異例で普通は真似できません。人は周囲の環境に大きな影響を受けるので、よほどの天才でなければ、東大に行きたければ東大に入りやすい環境に飛び込むようにしましょう。

地方からどうしても東大に行きたい場合は、西大和(奈良)やラ・サール(鹿児島)、青雲(長崎)などの全寮制の中高に入ってみっちり勉強するか、自分の通えるエリアの公立高校に行く場合は、そのエリアのトップ校に入り、その中で学年1,2位を取り続けることが東大合格につながると思います。
公立高校の場合は高校3年の秋まで普通に授業をやっていたりするので、学校の進度は無視して勉強する必要があります。

少々大げさに感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、野球の得意な子が目指すのが甲子園、ラグビーが得意な子が目指すのが花園、勉強が得意な子が目指すのが東大だと僕は思っています。
甲子園に出るために越県して野球留学をしたり、甲子園に出やすい県の高校に通うこともあるようです。
それの勉強版だと思えば決してオーバーではないと思います。そのくらい東大に合格するということは大変なことなのです。

YouTubeではCASTDICE TVさんがこのような動画を上げておりました。

CASTDICE TV YouTubeチャンネル引用

一方で、東大やその他の難関大学の受験に記憶術が効果がないかというとそういうわけではありません。
受験では英単語や古文単語、歴史の出来事や年号、化学式や生物の用語など様々な科目で膨大な知識を覚えなくてはいけません。
知識を覚えた上で思考力などが問われる問題が多いので、基礎を固める上で暗記は重要です。
記憶術を使えない人と記憶術を極めた人では特に暗記科目では大きく差をつけることができ、短い時間で大量のものを記憶できるので、余った時間を他の科目に充てることもできるので効率的に勉強できることは間違いありません。

記憶術を学びある程度使いこなせる状態で、私立の超進学校に在籍(または公立トップ校の学年トップ)の上でできる限り先取り学習を意識し、勉強をし続けるということが東大合格における最適解だと思います。

個人的には、東大を受験するにせよそうでないにしても、受験勉強が本格化する高校2年生ごろまでには、記憶術を身につけその技術を高校2年生以降うまく利用できると合格が近づくと思います。

記憶術を身に着けておくと、受験に役立つことは間違いないので、できるだけ早い段階で記憶術を身に着けて暗記科目への苦手意識をなくし、効率的に記憶できるようにしましょう!

今回の記事では書きませんが、僕のように理系で大学院から東大に入る場合は、科目数も少なく大学4年間を使えば東大でない大学からも合格が可能だと思います。
実際に自分の在籍する研究室には、自分の知る限りですが、東大が約半分で残りが京都大、東北大、九州大、早稲田、慶応、立命館などの出身の方がいたと思います。
(わざわざ大学の話などもしないので、出身大学を知らない人もたくさんいます)

学部から合格するほどでないにしても、大学院から入る場合でもそれ相応の学力は必要とされるので、難関大学出身者が多くなる傾向にあると思います。大学院受験に関する記事は詳しくまた別で書いて行きたいと思います。

それではまた!