少し時間が経過してしまいましたが8月15日に、
アレックス・ミュラン選手(アメリカ)VSアンドレア・ミュジー選手(イタリア)
のメモリースポーツの世界頂上決戦が行われました。
とても熱い試合で日本は夜中にもかかわらず、私は見入ってしまいました。
2人の対決を見ていて改めて、ふと今回のテーマである「メモリースポーツは頭が良くないとできないのか?」というテーマで記事を書きたくなりました。

やや炎上しそうなテーマではありますが、これはこの文章を書いている筆者青木の主観と私が普段付き合いのあるメモリーアスリート達の傾向も含めて記事を書いていますので、その辺を許容できない方はここで読むのをやめていただいた方がよいかもしれません。
少し話はそれましたが、15日の対決の時に公開されていたプロフィールを元に両選手を簡単に紹介すると、
アレックス・ミュラン選手は28歳のアメリカ人選手で世界最強のメモリーアスリートの1人です。仕事は放射線医をしています。2015〜2017年の世界選手権を圧倒的な強さで優勝した選手です。
2017年に優勝した際は医大生で勉強や実習が忙しく1日2時間程度しか練習はできないといいながら、1日10時間以上練習している中国人選手やモンゴル人選手達を退け優勝しました。彼の努力や集中力は凄まじいものがありますが、飛び抜けたメモリースポーツの才能があるのは間違いないと思います。
アンドレア・ミュジー選手は、20歳のイタリア人選手でこちらは2019年の世界チャンピオンです。彼は今医大生で現役のプレイヤーで今が一番最高に脂が乗っている選手でしょう。まるで昔のアレックス・ミュラン選手を見ているようです。ルービックキューブもプレイしているので、キューバーの方は知っている方もいるかもしれません。
さて、今回なぜ「メモリースポーツは頭が良くないとできないのか?」というタイトルで文章を書いているのかというと、今回の医師VS医大生の対決をみて2人とも高学歴だと感じたことと、最近メモリースポーツを多くの方に知っていただく機会が増え、その度に「メモリースポーツは頭がよくないと無理ですよね?」という質問やトッププレイヤーがメディアで注目される度に彼らの出身大学など見て「やっぱり一流大学出ているからこんなことできるんですよね。」という言葉を以前に増して耳にすることが増えたためです。
そのような質問が出る度に私はこのように答えるようにしています。
「確かにメモリーアスリートの中には高学歴の方が多いと思いますが、メモリースポーツに頭の良さや学歴はあまり関係ありません。少しでも興味を持たれたら、軽い気持ちでトライしてみてください。」
と答えるようにしています。
頭の良さとはかなり抽象的な概念で、いろいろな頭の良さというものがあると思います。学歴やIQというのは1つの側面でしかなく、頭が良いということを完全に数値化することもできないため、ここでは頭の良さについては深く言及はしません。ただ今回は頭が良いということが高学歴であるという意味で話されることが多いため、今回は高学歴であるという視点で書いています。
また「高学歴はどこからが高学歴なのか?」というまた人により解釈が異なりますが、日本の場合は、国公立大学やMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)や関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)など以上の大学が受験界や就職など一般的に言われているのかなと思うので、このあたりを高学歴として書いていきます。
※学部によって偏差値などは変わるでしょうが、そこまで追っているとキリがないのでご了承ください。
「メモリーアスリートは本当に高学歴が多いのか?」ということですが、国内で見ていくとやはりその傾向は非常に強いと思います。
選手の個人名は出しませんが、東京大学や京都大学、大阪大学、北海道大学、東京工業大学、一橋大学、筑波大学、千葉大学、埼玉大学、早稲田大学、上智大学、明治大学、青山学院大学、立命館大学などの大学や大学院などに在学していたり卒業されています。
また中高生のメモリーアスリートを見ても、所謂偏差値が65以上の進学校に通っている学生が多いです。
では「なぜメモリーアスリートに高学歴が多いのか?」ということに私の意見を言及していきたいと思います。
①高学歴の人は勉強や頭の使うことが好き、もしくは得意だから
高学歴の人はあたりまえかもしれませんが、基本的に勉強ができます。学生時代にかなりの量の勉強をしてきている人がほとんどです。時には勉強が嫌になることもありますが、耐えて我慢して勉強を長い間継続してきています。
勉強ができる人は、頭を使うことに慣れていて、そのような耐性があります。基本的に勉強や頭を使うことが好きで合ったり、得意であったりする場合も多いです。好きであったり、得意であったりすると試験や大会などで良い成績をとることができ嬉しくなり、ますます努力をするという正のスパイラルに入ります。また頭を使うことに関して努力の仕方を知っているということも大きいのかもしれません。
これは中学校や高校のサッカー部やバスケットボール部などの高いレベルの運動能力が求められるスポーツの部活動に所属する学生は、体育の成績が良かったり、運動が得意な生徒が多いことと似ているかもしれません。
大会などにいくと、休み時間や空き時間に勉強している小中学生にわからないところを教えている大学生や大人の姿も何度も見たことがあります。そのとき「やはり勉強が得意な方は多いんだな!」と感じました。すこし独特な世界なのかもしれません。
②高偏差値の大学にサークルやチーム、プレイヤーが集中しているから
現在、メモリースポーツをやっているサークルがあるのは、京都大学、一橋大学、青山学院大学です。またとてもありがたいことにキューバーの中にメモリースポーツをやっている選手も多く、ルービックキューブサークルも東京大学や京都大学、大阪大学、早稲田大学などの高偏差値の大学に集中しているからと言えるでしょう。高偏差値の大学の方がメモリースポーツと出会う機会が多いと考えられます。
では海外を見るとどうでしょうか?
海外の大学については私も詳しくはありませんが、各国の協会の幹部や私の付き合いのある有名なプレイヤーを見ても、ミュンヘン大学(ドイツ)、ダルハウジー大学(カナダ)、ソウル大学(韓国)、延世大学(韓国)、北京大学(中国)、武漢大学(中国)、インドネシア大学(インドネシア)、モンゴル国立大学(モンゴル)などの学生や卒業生であることが多いようです。
またアレックス・ミュラン選手やアンドレア・ミュジー選手のような医師や弁護士、公認会計士をしながらメモリーアスリートとして活動している選手もいます。
国によって教育レベルや教育機会の差などがあるので、一概には言えませんが、基本的にメモリースポーツをできるということ自体がハイソで裕福なことなのかもしれません。
国内と国外で多少事情は違うでしょうが、記述してきたことはある程度、的を得ているのではないかなと思います。勉強ができることや学歴が高いこととメモリースポーツが得意であることはやはり相関性はあると思います。
これはもしかしたら、メモリースポーツだけでなく、先ほど言及したルービックキューブ、そろばんやクイズなどにも同じようなことが言えるかもしれません。私が2016年と2020年に出演した中国🇨🇳やベトナム🇻🇳の最強大脳に日本代表として出演したそろばん、eスポーツ、クイズ、ルービックキューブなどの各分野のトッププレイヤーも東大や東北大、筑波大などの高偏差値の大学や大学院の出身者がほとんどでした。
確かにメモリーアスリートの中には高学歴である人が多いことは確かではありますが、だからと言って、勉強が苦手だから、高学歴じゃないからという理由でメモリースポーツをすることをためらわないで欲しいと思います。もしそのような理由で躊躇っている方がいれば、非常にもったいないことだと思います。
また類は友を呼ぶという言葉もあるので、小中高生で将来高い偏差値の大学に行きたいという人は、メモリーアスリートのコミュニティーに入っておくと、将来メモリースポーツサークルのある大学に入る目標ができるかもしれませんし、メモリースポーツ以外の面での勉強法や勉強に対する意識などを得られて良いのかもしれません。
みなさんメモリースポーツに興味をもったら、軽い気持ちでメモリースポーツに挑戦してみましょう!