大学の物理学を少しだけ語る

キューバーのつぶやき

みなさん、あけましておめでとうございます。メモアカの青柳です。

もうすでに正月も終わり、学業ないしは仕事に励んでいる方も多いでしょう。2022年がどんな1年だったにせよ、今年は素敵な年にできるといいですね。私もそんな1年にできるように日々精進していこうと思います。改めまして、今年もよろしくお願いいたします。

前回の記事ではメモアカで取り組んだ顔と名前記憶について書きました。既にメモリースポーツを練習されている方にとってはなんてことない記事だったと思いますが、メモアカの使いやすさが少しだけでも伝わっていれば幸いです。

今回はタイトルにもある通り、大学の物理学について触れていこうと思います。これから大学に進学する予定の方は「大学ってこんなことを勉強するんだ」と興味を持っていただけると嬉しいです。また、既に大学を卒業された方には「これやったなぁ」と懐かしんでくれたらなと思います。さらに物理を勉強したことがない方でも理解できるように書いたので、興味のある方はぜひ最後まで目を通してみてください。

物理学の基本分野

物理学の分野に関して、「力学」、「電磁気学」、「熱力学」等は多くの方がきいたことがあるでしょう。しかし実際には物理学で取り扱う内容は非常に多岐にわたります。統計力学、素粒子物理学、生物物理学など、挙げるときりがありません。もちろん、大学生は上に挙げたような物理学を全部学ぶわけではありません。例えば、化学専攻の学生はおそらく熱力学や電磁気学を中心に、私のような工学部機械専攻の学生は力学を中心に学ぶことになるでしょう。

しかし物理学の各分野はすべてが独立しているというわけではありません。1つの分野は必ず他の分野と密接に関係しあっています。すなわち限られた分野だとしても、それについて深く勉強することが他分野の理解を促進させるといっても過言ではありません。

そこで本記事では物理学の基本的な分野である電磁気学について触れていこうと思います。この分野は歴史が古く、現在盛んに研究されている物理学(宇宙物理学や非平衡統計力学など)の柱となっている分野でもあります。また専門でないとしても、多くの理系大学生が教養科目として履修するのではないでしょうか。もちろん、この記事で電磁気学の基本を語るのは無理ですが、物理の面白さがふんわり伝われば幸いです。

電気力

電磁気学とはその名前の通り、電気や磁気に絡む現象を説明する物理学です。今回は電気に絞って話していきましょう。

まずみなさんは中学の理科で習った「陽子」と「電子」を覚えているでしょうか。陽子はプラスの電荷、電子はマイナスの電荷をもっていて、これらが「原子」を形成しているんでしたね。さらに通常、1個の原子のなかに陽子と電子は同じ数だけ存在します。

原子のイメージ

プラスの電荷をもつ陽子とマイナスの電荷をもつ電子を合わせて「粒」ということにしましょう。これらの粒は互いに接触していなくても、力を及ぼしあうことができます。この力を電気力といいます。電気力は触れていないのに生じる、特殊な力です。ふつう、力は触れていなければ加えることはできません。例えば小学生の頃に誰もが遊んだことのある、おしくらまんじゅうを思い出してみましょう。これは向き合った2人の手もしくは腕が接触するから成立するものですね。一人の手がもう一人の手に接触する。その結果、押す力が相手に働き,倒れる。そういうゲームです。そのほか世の中に存在する力は多くのケースにおいて、接触することが前提となっています。そう考えると電気力が特殊な力であることが容易に理解できます。

触れていないのに生じる特殊な力、それは電気力以外にも存在します。誰もが体感したことのあるだろう、重力です。高い所でモノを手放したとき、当然のことながらモノは床もしくは地面へと落下することになります。これは地球がモノを引っぱっているからです。この重力も、触れなくても生じる特殊な力です。

ですが、電気力は重力とはだいぶ毛色が違います。

まず電気力には2種類あります。それは引く力と反発する力です。プラスの電荷をもつ陽子とマイナスの電荷をもつ電子が互いに近い距離を保って置かれた場合、両者は強い力で引きつけられます。一方、陽子と陽子もしくは電子と電子が同様に置かれた場合、強い力で反発しあうことになります。すなわち、異なる電荷同士であれば粒は引きあい、同じ電荷同士であれば粒は反発し、たがいに離れようとします。

さらに電気力は一般的に重力とは比較できないくらいに大きいというのも特徴です。電気力のほうが約1030(10の30乗)倍大きいと考えてもよいでしょう(なんならもっと大きい)。とにかく、電気力はとてつもないぐらいに大きい強い力ということは覚えておきましょう。

電気力のバランス

では、なぜ日常生活において電気力を実感する機会が少ないのでしょうか。前述したとおり電気力はとてつもなくとてつもなくとてつもなく強い力です。それなのになぜモノとモノは引き合わない(もしくは反発しない)のでしょうか。

それはうま~く電気力のバランスが取れているからです。

みなさんがすでに知っているとおり、世の中のありとあらゆるものは原子から成り立っています。多数(これもまた数えきれないほど多い)の原子が積み重なることで、身の回りのコップや時計、テーブルは私たちの目で区別できるモノとなっています。そして原子1個には陽子と電子が同じ数だけ含まれているということも先ほどお話ししたとおりです。すなわち、モノはものすごく多くの、しかも同じ数の陽子および電子をもっているということになります。そして陽子と電子は非常に乱雑にばらまかれているのです。その結果、1つの陽子(もしくは電子)には引きつける力と反発する力が多方面から働きます。これにより陽子に加わる電気力は打ち消され、モノ全体という大きいスケールで見たら、なんとか釣り合いを保っているというわけです。

ではもし電気力のバランスが乱れたら?例えば、モノのなかに含まれる陽子の個数が電子の個数よりもほんの数パーセントだけ多くなったら?おそらくモノとモノの間には反発する力が働き、両者はたがいに離れようとするでしょう。しかも、ものすごい(×10)勢いで。。。

電気力の応用

以上、電気力について話していきました。

ではこの電気力はどういったところで役立っているのでしょうか。

身近なところだと建築物、特に高層マンションが挙げられます。建築物に強い力が作用した場合でも、例えば強風が吹いた場合でも、その建築物が倒壊するということはありませんね。それは建築物内部に無数に存在する陽子と電子のおかげといっても過言ではないでしょう。風によって建物が倒れそうになったとしても、陽子と電子の間に引き合う力が生じているからこそ、建物はその場にとどまり続けることができるのです。

重力と比べて電気力は実感することが少ないですが、実は目立たないところで私たちの生活を支えているんですね。

まとめ ~マックスウェル方程式~

今回は電磁気学で扱う「電気」と「磁気」のうち、前者について少しだけ話しました。あとは「磁気」なのですがこれについて解説すると、記事としては長くなりすぎるのでここでは簡単に説明します。

磁気というのは、電荷をもった粒が時間とともに移動すると生じるものです。わかりやすい例を挙げると電流です。中学の理科で、電流の周りには磁場が生じるというのは習いましたでしょうか。そう、あれです。すなわち、磁気の正体は電荷の移動(運動)なのです。(これ以上は長くなるので省略)

最後に電磁気学のなかでも一番重要かつ整った式、マックスウェル方程式を紹介します。

これは電場および磁場の振舞いを一意に決める強力な式です。まだ大学で電磁気学を履修していない方は「なんじゃこりゃ」と思うかもしれませんが、4つの式のうち簡単なものを取り上げると、式(1)はガウスの法則、式(4)は電磁誘導の式を意味しています。とにかく、電磁気学の基本はマックスウェル方程式という非常に綺麗な式でまとめることができるということが伝わればなと思います。