幼少期(特に未就学児)には絵本がおすすめ!

記憶と絵本

今回はいつもと違い真剣で硬い内容で書いていきたいと思います。

メモリースポーツを通して日本国内問わず各地で講演をさせていただく機会があったり、様々なメディア出演の機会をいただいたりするにつれて講演会や僕の運営しているBSAには、多くの熱心な保護者の方からこのような質問やお問い合わせをいただくことがあります。

うちの子は保育園(幼稚園)に通っているのですが、記憶力をよくしたので記憶術を教えてもらえますか?」や「まだ3歳なのですが記憶力が非常によくこの能力をもっと伸ばしたいです。どうすれば良いですか?」などというご質問です。

どの親御さんもお子さんの幸せを願ってやまない気持ちがとても伝わり「どうにか力になりたい!」と思い、今回このような記事を書かせていただきます。

今回の内容は、タイトルにもある通り、ずばり幼少期(特に未就学児)には絵本がおすすめという話です。

普段BSAでは小学生からシニアの方の幅の広い年齢層の方々に記憶法やメモリースポーツを教えていますが、記憶法は基本的に記憶術とも呼ばれテクニック(技術)です。
記憶力というと一種の超自然的な印象を持たれてがちで、少しオーバーに言うと「記憶力がよくなれば勉強で困ることなんて一切ない!」なんて誤解されることもしばしばです。
当たり前ですが数学の問題を解く計算力や国語の読解力などは別の力ですし、記憶に関して「数字を何千桁も覚えられる!」、「英単語の暗記が5分間で50個は覚えられる!」というのも、一朝一夕で得た力ではなく、どうやれば1桁でも多く1秒でも早く覚えられるのかということを理詰めで追求し、地道な努力を日々重ねた上で身につけられるものなのです。

記憶力を向上させるのに、理論的な思考が必要不可欠なわけなのですが、その理論的な思考ができるのにはある程度肉体的にも精神的にも成熟する必要があるので、早くても小学1年生から、個人的には小学3年生くらいから始めるのがベストだと感じています。

しかし、ただ歳を取れば良いかというわけではなく、論理的で深い思考ができることが大切です。メモリースポーツ(記憶法)の場合、他のスポーツと違いどのように覚えているのかということを直接見ることができないので、覚えている様子を見て、どのように覚えているのかという判断をすることが一流の指導者でも非常に困難です。自分がどうゆうところがうまくいかないのか、なぜ間違えたのかということをコーチやチームメイトに相談したりうまく説明する必要があります。
その上でどのようにトレーニングしていくのか解決していくものです。

人間は思考は言葉で行い、自分を表現することも言葉で行います。
言葉を鍛えるには、綺麗な日本語や多くの言葉が使われている絵本に親しむことが非常に良いのです。(絵本にもいろいろな作品があるので、全ての絵本が良いわけではありません。)

論理的な思考や自分を表現するということ以外にも、記憶することの基本としてイメージ化するということが非常に重要です。
テレビアニメやYouTubeのなど動画は受動的でボーッとしていてもどんどんお話が進んでしまいますが、絵本は静止画です。絵本は両親や園の先生などの大人から読み聞かせをしてもらうことで、能動的に耳で話を聞き絵を見て頭の中で想像する(イメージ化)ことでお話を楽しみます。絵本体験が豊かな方は読み聞かせをしてもらいながら、まるで絵本の中のキャラクターが動いているような体験をした方もいらっしゃるかもしれません。幼いころは一生懸命イメージ化しようなんて意識していなくても、お話を楽しむことで自然とイメージ化できており、そのような力が養われると言われています。もちろん他にも絵本にはいろいろな良い効果があります。(ここでその内容に触れると話がそれてしまうのでここでは書きません)

このような話をすると、「頭がよくしたいから絵本を読み聞かせをする方が良いんだ。」、「子どもをしつけたいから絵本を読み聞かせをするべきだ。」と誤解されるかもしれませんが、それは目的と結果が逆転していると思います。
大人が読書を楽しむように、子どもは絵本を読み聞かせをしてもらい楽しみます。知識を得るためだけに本を読んでいても楽しくないように、結果を求めて絵本を読んでも楽しくありません。絵本は、大人は読書をするように、もともと子どもが読み物を楽しむために作られたものなのです。絵本を楽しんだ結果、いろいろな効果が得られるということです。

絵本を読み聞かせする上で大切なことは、あまり肩肘はらずシンプルに、大人が子どもと一緒に楽しんで絵本を読んであげることが大切だと思います。

今回は真剣な保護者の方々にお答えするということで、かなり硬い内容であまり面白みのないになってしまったかもしれませんが、
次回以降「どのような絵本を読んだらよいのか?」、「どういう風に絵本を読んだら良いのか?」という記事やおすすめの絵本という内容でも書いていきたいと思います。