メモリーアスリートのつぶやき | BSAマガジン https://brainsportsacademy.net ブレスポしようよ!BSA ブレインスポーツアカデミー メモリースポーツ Mon, 29 Nov 2021 05:21:39 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.7.4 https://brainsportsacademy.net/wp-content/uploads/2020/07/cropped-favicon-32x32.png メモリーアスリートのつぶやき | BSAマガジン https://brainsportsacademy.net 32 32 Images大全③~準備、意識すること編~ https://brainsportsacademy.net/2134/ Wed, 24 Nov 2021 11:00:00 +0000 https://brainsportsacademy.net/?p=2134 こんにちは。メモリーアスリートの山口です。 前回の練習方法編に引き続き、Images大全第3弾~準備、意識すること編~です。前回の~練習方法編~と前々回の〜システム編〜を読んでいない方はぜひ、↓こちらから読んでみてくださ...

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こんにちは。
メモリーアスリートの山口です。

前回の練習方法編に引き続き、Images大全第3弾~準備、意識すること編~です。
前回の~練習方法編~と前々回の〜システム編〜を読んでいない方はぜひ、↓こちらから読んでみてください。

それではいきましょう。Let’s go!

まずは目標タイムを設定しよう

まず準備を始める前に、何秒で覚えるのかを決めましょう。

僕の目標はウサイン・ボルト選手の100m陸上世界記録越えです。(9.58秒)

もしかしたら皆さん自然にやっているかもしれませんが、どれくらいのタイムを目指すのかをはっきりさせることは意外と大事です。

なぜでしょう?

まずは、競技中に躓いたときなどの対応が変わります。
競技中はなるべく全プレイス同じ時間で覚えるのが理想ですが、どうしてもストーリー作りが難しいものなどで詰まってしまうことがあると思います。その時に攻めていると決めていればある程度雑なストーリーでも押し込んで次のプレイスに行くことが出来ますし、守ると決めていれば落ち着いて対応できるでしょう。競技中に自然に生じる迷いのようなものを減らすことが出来るんですね。

他にも、これは少し進んだ話ですが、例えばMemory Leagueの試合に出るようなことがあれば、対戦相手によって目標タイムをいじることも必要になってきます。
上級者になればこのあたりは秒単位で調整が出来ます。普段から目標タイムを意識して練習することで、試合になってもタイムの調整がしやすくなります。

そして一番のメリット、それは試技後の反省がよりクリアなものになるということです。
全力で飛ばしてパーフェクトをとれなかったのと、丁寧に覚えたつもりでパーフェクトをとれなかったのでは反省点が全く違います。また、30秒で覚えようと思ったのに35秒かかってしまったというような、目標タイムと実際との差からも反省点や改善点を探すことが出来ますね。
前回紹介した練習方法を活用するためにも、だいたいでもいいので必ず目標タイムを設定しましょう。

使うルートを決めて辿ろう

まずどのルートを使うのかについては、もちろん誰でも試技が始まる前に決めていると思います。覚える3秒前に「このルート使おう!」なんて人はいませんよね。笑

ここでどのルートを使うのかを決めたら、スタート前にそのルートを何周か辿りましょう。

この時のゴールは、雑念をなくすことです。
もちろんルートを辿ると言うのは、ルートの確認やプレイス間の移動をスムーズにするためでもあります。
ただ、このタイミングで一番重要なことは、雑念を消すことだと思っています。メモリースポーツにおいて雑念というのは一番の敵です。ルートを巡ることで、頭の中のルート以外の要素を排除しましょう。

雑念が消え集中モードになっているかの目安として、僕はルートの感覚を大事にしています。僕の感覚では、頭の中を100%プレイスにする、目の前にそのプレイスが目いっぱい広がっているくらいになったら準備完了です。

ここにどれくらい時間を使うのかは選手によってばらつきがあるので、準備時間として何分がベストなのか、何周してから始めるのがベストなのかは人によるものだと思います。
僕の準備を例として下に載せておくので、参考になる部分は参考にしていただいて、自分が一番うまくいく準備を探してみてください。

僕の準備の流れ いかに自分とルートが一心同体のような状態になれるかという感覚

最初から最後までリズムよく記憶しよう

僕がImagesで意識していることはたった一つ、リズムです。

見るリズムが途中で崩れたりすると、その前後のプレイスで間違えることはかなり多いです。逆に、多少詰まっても同じリズムで先に進むと、案外覚えています。Imagesでは消去法も使えるので、1,2プレイスくらいの抜けならなんとかなることもありますし、どうしても確実に当てたい場面でないのならリズムを崩さないことを意識しましょう。

リズムが崩れてしまった時は、振り返りの時に原因をきちんと分析しましょう。
(詳細は前回の練習方法編に載せています。)

これはさらに細かい話ですが、1プレイスあたりの時間を意識すると良いリズムで覚えられるようになります。
例えば、目標タイムが30秒でシステムが2in1なら、記憶するのは15プレイス分なので1プレイスあたり2秒、といった感じです。このような数字を知っておくだけでも、リズムを意識しやすくなります。是非試してみてください。

ちなみに、このリズムを一定に覚えるというのは、他競技においても同じ理由で同じことが言えます。
Imagesに限らず、リズムを意識してみてください。

準備、意識すること編まとめ

今回は競技前の準備と記憶中に意識していることについて紹介しました。

前回と同じく、取り入れてすぐに変化が起きるようなものではないかもしれませんが、何か参考になる部分があれば嬉しいです。

さて、今回の記事で、Images大全は内容的には半分くらいまできました。
ここまでで何か皆さんの中で新たな発見や再確認できるようなものはありましたか?

次回からは、より僕の頭の中身に迫った記事になります。
今回を含めた過去3記事に比べ、皆さんにとっての新出情報が増えるかもしれません。

というわけで、次回の記事は「Imagesで僕が使用しているシステム」についてです。

お楽しみに!

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Images大全②~練習方法編~ https://brainsportsacademy.net/2017/ Wed, 10 Nov 2021 11:00:00 +0000 https://brainsportsacademy.net/?p=2017 こんにちは。メモリーアスリートの山口です。 前回のシステム編に引き続き、Images大全第2弾〜練習方法編〜です。〜システム編〜をまだ読んでいない方はぜひ、↓こちらから読んでみてください。 それではいきましょう! Let...

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こんにちは。
メモリーアスリートの山口です。

前回のシステム編に引き続き、Images大全第2弾〜練習方法編〜です。
〜システム編〜をまだ読んでいない方はぜひ、↓こちらから読んでみてください。

それではいきましょう! Let’s Go!

Imagesの肝は場所とストーリー

前回の記事(システム編)で、Imagesでは現在場所法とストーリー法の併用が主流だと書きました。
加えて、CardsやNumbersと違って、Imagesには変換というパートが存在しません。
これらのことから、他競技よりも「場所」と「ストーリー」の力がタイムや正確性といった部分に直結しやすいと言えます。
Imagesで成長するには、この種目の根幹となっている「場所」と「ストーリー」の力をどのように高めていくか、が重要となります。

Imagesの流れ 下線部にフォーカスして練習

この重要となるところにフォーカスした僕の練習方法(というか成長方法?)を3つ紹介します。是非参考にしていただけたらと思います。

①場所を辿るスピードを速くしよう

まず1つ目は「場所を辿る練習」です。

先ほども言った通り、Imagesにおいて場所力というのは非常に重要です。
その場所力のうちの1つが場所移動の速さです。あるプレイスでイメージを置く作業が終わって、次のプレイスを想起するのに何秒かかるのか。もちろん短ければ短いほどいいですよね。
個人的には、場所移動の速さの差はトップ選手の中でもかなりあると感じていて、ここを極めればタイムはぐっと縮まると思います。

ではこの場所を辿るスピードをどのようにして速めればいいのか。答えは「ひたすら辿る」です。
単純だと思いますよね。でも、結局単純なことの反復が大事だったりするんです。
やればやるだけ速くなりますし、練習自体に時間をそれほど取られないところも良いです。
忙しい生活の中でも、移動中の電車の中やお風呂に入っている時など、あまり考え事をしなくていい場面で頭の中でルートを辿ってみましょう。

たまにタイムを計って目標を決めてやるとなお良いです。
参考までに、僕のImagesのルート(13プレイス)を辿る速さは2~3秒です。
場所を辿る練習で、Images以外のルートでも、だいたい同じ速さで辿れるようにしています。

②試技の度に振り返ろう

2つ目は「間違えたところの反省」です。

いつもExcelで改善点メモってます

Imagesにおけるミスは、個人的には2種類だと思っていて、その2つは「①ストーリーをうまく作れなかった」もしくは「②場所にうまく置けなかった」です。

1in1の場合は場所と画像でストーリーを作ったりするので、ミスの原因は①と②の合わさったものになるかもしれません。
2in1以上なら、①と②のどちらか、もしくは両方となるでしょう。

メモリースポーツの競技性質上、他の人に自分の頭の中を見てもらうことができないため、ミスの原因は自分にしかわかりません。そのため、自身で正しくミスを分析し次に活かすことが必要になってきます。ミスした時は、その原因が①だったのか②だったのか、あるいは両方だったのかを振り返りましょう。

もし①だったら、どのようなストーリーの方が良かったのかを考えると、次似たようなものが出てきた時に同じミスを防ぐことができるでしょう。
特に覚えにくい風景や、似ている動物や植物が出てきたときにミスをしてしまった場合は、次回同じようなものが出てきた時に、どのようなところに着目して覚えるのかを考えておくと良いですね。僕が実際にこのあたりをどのように覚えているかは今後の記事に書きたいと思います。

③弱いプレイス、ルートはどんどん改良しよう

3つ目は「弱い場所の強化」です。

先ほどのミスの話で、ある特定のルートないしはプレイスで②のミスが多く起きる時は、そのルートやプレイスに変化を加える必要があるかもしれません。
そんな時は、より印象に残りやすいような工夫を加えましょう。

具体的に言うと、”プレイスとして使っているゴミ箱を大きくしたり、苦手なプレイスを外して新しくプレイスを追加したり、プレイス間の上下左右の差を大きくしたり”などです。
自分の中でどうしたら印象に残りやすいプレイスになるかが重要です!
ここの工夫はその人の試行錯誤力が問われるところかもしれません。そしてこの作業には終わりがありません。
僕も今でもプレイスのマイナーチェンジはしています。
変化の必要性を感じたら色々試してみて、弱い場所はどんどん改善していきましょう。

もちろん、1つ目の練習法として紹介した「場所を辿る練習」も有効です。
特に、自分の中で苦手意識のあるルートや作り立てのルートなど、そもそもルートと自分の親和性が低い場合には非常に有効です。
変化を加える以前に、ルートと自分の親和性が低いのなら、まずは場所を良く辿る必要があることも忘れずに。

練習方法編まとめ

というわけで、今回は3つの主な練習方法について紹介しました。

もちろん紹介したものをやればだれでも10秒で覚えられるようになるわけではありません。
ただ、「何をすればいいのか分からん!」というなかでがむしゃらにやるよりも、今回紹介したことを少し取り入れていただくだけでも変化はあると思います。

ぜひやってみて下さい!

次回の記事は、「Imagesの競技前・競技中に意識していること」についてです。

お楽しみに!

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Images大全①~システム編~ https://brainsportsacademy.net/2012/ Wed, 03 Nov 2021 11:00:00 +0000 https://brainsportsacademy.net/?p=2012 こんにちは。久しぶりの記事投稿となりました。メモリーアスリートの山口です。 いきなり自分の話で恐縮ですが、僕は現在大学4年生です。つまり、あと半年で大学を卒業してしまいます。卒業してからは、なかなか今と同じようにメモリー...

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こんにちは。久しぶりの記事投稿となりました。
メモリーアスリートの山口です。

いきなり自分の話で恐縮ですが、僕は現在大学4年生です。つまり、あと半年で大学を卒業してしまいます。
卒業してからは、なかなか今と同じようにメモリースポーツをしたり、記事を書いたりといったことが出来なくなるでしょう。
そうなる前に、しっかりメモリースポーツが出来ていてその感覚が強くあるうちに、記事を書く時間があるうちに、僕のメモリースポーツの知識や感覚を残しておきたいと思いこの記事を書くことにしました。

そしてまずは、タイトルにもある通り、この記事から複数回にわたってImagesについて、いろいろ語っていこうと思います。日本語で書かれたImagesのこういう記事って少ないと思うのでぜひ皆さんの参考になればと思います。

Imagesの記憶画面(30枚の写真の順番を1分以内にできる限り速く覚える競技)

なお、このシリーズはMemory Leagueをやっていることはもちろん、ストーリー法や場所法などをある程度知っている前提で話を進めます。
Memory League、ストーリー法、場所法などを知らない方は、BSAのYouTubeチャンネルでそれらについて説明している動画があるので、そちらを先に見ることをお薦めします。

平田選手がストーリー法について解説してくれています
場所法について

それではいきましょう!

現在は場所法が最強

さて、今回のテーマは「システム」です。

この世には様々なシステムが存在します。その前提となっている記憶術もまた様々存在しています。有名どころだと「場所法」、「ストーリー法」、「ペグ法」などでしょうか。

その中でも、現在は場所法が主流というか、ほとんどの選手が場所法を使っています。ペグ法を使う選手もいますが、Memory Leagueでトップで活躍している選手のほとんどが場所法を前提として、様々なシステムを使っています。

また、Imagesと相性がいいのはストーリー法でしょう。Imagesの特徴で一番大きいのは変換作業がないことです。つまり、出てきたものをどのように場所法に落とし込むか、そことストーリー法というのはすこぶる相性がいいです。

というわけで、今回は場所法とストーリー法を使うことを前提として、いくつかのシステムを紹介します。

安定感重視の「1in1」

「1in1」、すなわち1プレイスに1イメージを置くシステムのことです。
1プレイスにつき1イメージなので、ストーリーが短くて済みます。
また、「2in1」などで起こりうるプレイス内での入れ違えが起きません。1番安定感のあるシステムだと言えるでしょう。ただ、詰め込みを除いても26プレイス必要なので、場所作りの手間がかかる、場所移動に時間がかかってしまう、というデメリットもあります。

ストーリーを作るのが苦手な人、場所移動や場所づくりにそれほど苦戦しない人に向いていると言えます。

バランス型の「2in1」

体感一番使われているんじゃないかと思うシステムです。
僕もずっとこのシステムを使っています。

1プレイスに2枚のイメージを置くので、詰め込みの4枚を除いて13プレイス(26枚)で覚えることができます。
このプレイスの少なさというのは、場所移動の時間、ルート作りなどで「1in1」よりも優れていると言えるでしょう。ただ、プレイス内での入れ違えという誰しも経験のあるミスがよく起きます。メリットやデメリットを考えると「1in1」とは真逆のシステムですね。

場所消費を抑えたい、ストーリー作りにも苦手意識がない人はこのシステムがあっていると思います。
そうでない人も、正直スタンダードという意味では「1in1」か「2in1」の二つがとっつきやすいと思うので、多くの場合ではどちらか自分に合うほうを選ぶのが無難でしょう。

ストーリー重視の「3in1」

1プレイスに3イメージを置くこのシステムは前の二つに比べると工夫が必要というか、パッとはできないシステムです。僕も一時期「3in1」に挑戦していましたが、よい感覚を得られず「2in1」に戻してしまいました。

とはいえ、世界のトップクラスの選手には「3in1」を使っている人もいます。
Memory Leagueで活躍しているポーランド人のJan Zoń選手はまさに「3in1」の使い手で、8.86秒のベストを持っています。彼は1番目、2番目、3番目の画像がどのように働くかというルールをあらかじめ作り、それに基づいてストーリーを作っているそうです(1枚目が2枚目を通り3枚目に落ちる等)。

「3in1」は「1in1」や「2in1」に比べプレイス内のイメージ数が増えるので、ストーリー作りが得意な方に向いていると言えます。ただストーリーがどうしても長くなるので、Jan Zoń選手の例で出したように、自分の中で明確にルールを作る必要があるでしょう。

ストーリー特化の「4in1」、「5in1」

ここまでくると1プレイスに4枚か5枚の画像を使うので、ストーリーの意識が相当強くなりそうです。
プレイス内のストーリーを正しく作らないとプレイス内の順番ミスが起きますし、ストーリーに注力しすぎて場所への意識が薄まると覚えたストーリーがどこのプレイスの物だったか忘れてしまいそうです。

Imagesに限らず全種目で「2in1」を使っている僕からするととても難しそうに見えますが、これらを使っているトップ選手がいることもまた事実です。
また、1ルートのプレイスが少なく(「5in1」ならたったの5プレイス!)場所移動の負担が少ないので、もしかしたら「2in1」の進化版という意味で「4in1」が利用される未来もあるかもしれません。

まだそれほど主流ではないので研究や改良の余地は大きく残されていると言えます。ストーリー作りが得意な人は挑戦する価値が十分にあるでしょう。

システム編まとめ

このように様々なシステムがあり、それぞれにメリットやデメリットがありますが、上位者の中でも使われているシステムはばらついており、どれがいいかは人によって異なるようです。

上図のように、ストーリーやプレイスといった部分で特徴が異なるので、自分に合ったシステムを探してみてください!

次回は「Imagesの練習方法について」です。お楽しみに!

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メモリーアスリートは、文系が多いのか?理系が多いのか? https://brainsportsacademy.net/1502/ Wed, 14 Jul 2021 11:00:00 +0000 https://brainsportsacademy.net/?p=1502 突然ですが、メモリースポーツをやっていると時々こんな事を言われます。「メモリースポーツって理系の人が多そうですよね!?」「円周率とかも覚えられるんでしょ?数字にも強そうだから数学できそう!!!」などと言われることが多々あ...

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突然ですが、メモリースポーツをやっていると時々こんな事を言われます。
「メモリースポーツって理系の人が多そうですよね!?」
「円周率とかも覚えられるんでしょ?数字にも強そうだから数学できそう!!!」
などと言われることが多々あります。
(ニュアンスとしては、「理系だからできるんだね!すごい!」と言う方が多い印象です)

「個人的には理系だからできる!文系だから苦手?」
なんてことは関係ないと思ってますが、今回は実際どちらの方が多いのか気になったので、メモリーアスリートの皆さんに、アンケートに答えていただきました。
結果はこの記事の最後に紹介させていただきます。

「そもそも理系と文系の境界はどう区別するのか?」
「そもそも理系&文系って何だ!? 定義は!?」

と言う方もいると思いますので、調査してみました!

“文系が赤”で、”理系が青”というのもステレオタイプなのかもしれません…

“文系と理系”というキーワードでWikipediaで調べてみると、

文系(ぶんけい)と理系(りけい)とは、学問や人を大まかに二つに分類する日本固有の文化である。それぞれ文科系(ぶんかけい)、理科系(りかけい)とも呼ばれ、両者を合わせて文理(ぶんり)という。伝統的に、文系とは主に人間の活動を研究の対象とする学問(主に人文科学と社会科学に分類される)の系統とされ、理系とは主に自然界を研究の対象とする学問(およそ自然科学に分類される)の系統とされてきた。
しかし現在では、研究対象よりもむしろ課題解決のために用いる手法で分類されることが多い。たとえば金融工学や社会工学は、研究対象こそ「人間の活動」であるが、研究対象をほとんど同じくする経済学や社会学とは異なり一般には理系とみなされる。個別の学問分野がいずれに属するのかについては、文系的と捉えられることが多い学問、理系的と捉えられることが多い学問を参照のこと。なお、学問分野を理系と文系で区別する概念がある国は日本だけである。」

文系的と捉えられることが多い学問
哲学 倫理学 宗教学 神学 文学 人文学 芸術学 美学 美術工芸学 デザイン学 音楽学 歴史学 考古学 地理学 観光学 心理学 経済学 国際経済学 商学 経営学 法学 政治学 政治経済学 行政学 政策学 国際関係学 国際政治学 文化人類学 民族学 民俗学 言語学 社会学 福祉学 家政学 生活環境科学 教育学 など

理系的と捉えられることが多い学問
哲学 科学哲学 倫理学 生命倫理学 数学 情報学 情報科学 統計学 物理学 天文学 宇宙科学 地球科学 海洋学 気象学 地質学 惑星科学 化学 医学 歯学 薬学 看護学 福祉学 保健学 栄養学 生物学 生物資源科学 生命科学 農学 林学 森林科学 水産学 獣医学 畜産学 工学 理工学 建築学 軍事学 軍学 防衛学 など (Wikipedia から一部抜粋)

とありました。

理系文系の考え方は日本独特のものなんですね!あんまり考えたことがなかったというの正直なところで、
個人的には、「哲学」が理系に区分されていることは少し意外でした。
「経済学」や「心理学」は文理の中間あたりかなというイメージを持っていました。

ちなみに世間一般では文系と理系どちらの方が人口が多いのでしょうか?
インターネットで調べてみると、おおよそ

「文系:理系=7:3」

男子大学生の55%文系、45%理系
女子大学生の80%文系、20%理系

だそうです。7割の大学生が文系なんですね。

自分が通っていた都立富士高校は、生徒の約99%が4年制大学に進学していました。
僕の代は、当時全部で8クラスあり約2クラスが理系だったと思います。
(「男子は5クラスが文系・3クラスが理系、女子は7クラスが文系・1クラス理系」なので、
自分のいたクラスは女子は全員文系なのに、男子は全員理系という不思議なクラスでしたね)

おおよそ世間の大学生の割合に近いのかもしれません。
そして、現在の大学進学率は50%ちょっとですので、大学に進学しない人たちのことも考慮すると、推定ですが更に文系の割合が増えると思われます。(文系:理系=8:2〜9:1くらい?)
そのように考えると、世の中のほとんどの人が文系で理系は少数だということがわかります。

この結果は理系の自分として意外でした。
自分の周りは理系の人間が多いせいかもしれません。

さてここからは本題に入ります。
今回メモリーアスリートの皆さんに匿名で「あなたは理系か?文系か?」という質問に答えていただきました。

現在は投票を終了しています

それでは結果を見ていきましょう!

「文系:理系 = 37.5:62.5」

                        という結果でした!

3人に2人が理系なんですね!

皆さん結果を見た感想はどうでしたでしょうか?

調査の段階でわかった元々の理系の人数の少なさに驚いてしまいましたが、
僕の感想は「正直、意外に理系が多いな!」という印象です。
だいたい半々くらいかと思っていました。

ここからは個人的な推察なので、間違っているかもしれませんが、
「なぜメモリーアスリートには理系が多いのか?」ということについて理系っぽく?考察していきたいと思います。

理由 その1〜論理的思考や頭を使うことが好き・得意だから〜
メモリースポーツが上達するには、論理的に考え「なぜできないのか?」「どんな練習をすれば記録を伸ばせるか?」「次の対戦相手にはどんな種目で攻めれば勝てる可能性が高いか?」などを練習でも、試合でも常に考えながらやらないと上達しませんし、試合ではなかなか結果を出せるようにはなりません。
理系科目は文系科目と比較して、単純に暗記するというよりも、計算力を高める、分野によって勉強方法や解法を変える(無機化学は単純暗記だが、理論化学は化学の仕組みの理解+計算 等々)などの戦略が重要です。
その辺は共通している部分だと思います。
また、様々な試行を通して、自分の力を上げていったり、試合に勝つという作業は実験的な要素が強いのかもしれません。そのような思考は、勉強の中でも特に理系科目で必要とされるからなのかなと思います。

理由 その2〜記憶や脳に関わることに興味がある人は理系が多いから〜
メモリーアスリートの中には、生物系の学部に所属していたり、私も例外ではないですが、脳科学を専門としている人もいます。そういう人は「自分の記憶をどこまで高められるのか?」ということに興味があるのかもしれません。

理由 その3〜頭を使った戦うことが好き・得意だから〜
なんとなく感じたことがある方もいるかもしれませんが、理系の人は勉強が得意な人が多い傾向にあると思います。勉強が得意な人が集まると、お互い競い合うような環境になりゲーム感覚で勉強するということもあると思います。(ちなみに、自分も高校生の時は、「定期テストの点数で最下位の人が1位の人にサイゼリヤでステーキをおごる」という対決をテストの度にやっていました。)
僕自身受験勉強はかなり辛いものでしたが、受験が終わった後には空虚な気持ちになりました。
受験が終わった後でも「勉強のような頭を使ったもので、なにか競うことはできないのか?」と思っていました。勉強とは違うものですが、頭を使って世界中の人と競えるということが面白くてメモリースポーツの沼にハマってしまったので、頭を使って競うことが好きな人にはおすすめできる競技だと思います。

そのような感じで「なぜメモリーアスリートには理系が多いのか?」ということを考察してきましたが、いかがでしたでしょうか?
あくまで個人的な意見なので、異論は大歓迎です。笑

本テーマ以外にも、メモリーアスリートの生態について深堀りしていくと面白いかもしれませんね。

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メモリースポーツを始めて1年の人の日記(後編) https://brainsportsacademy.net/1438/ Wed, 23 Jun 2021 11:00:00 +0000 https://brainsportsacademy.net/?p=1438 こんにちは。 BSAマガジンライターの山口です。 今回は僕の日記の後編です。前編をまだ読んでいない方はぜひそちらを読んでから本記事を読んでみてください。 ↓メモリースポーツを始めて1年の人の日記(前編)↓https://...

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こんにちは。

BSAマガジンライターの山口です。

今回は僕の日記の後編です。前編をまだ読んでいない方はぜひそちらを読んでから本記事を読んでみてください。

↓メモリースポーツを始めて1年の人の日記(前編)↓
https://brainsportsacademy.net/?p=1429

さて、前回は東京SCC2020までお話ししました。今回はその後からです。前回はリアルのトランプ記憶がメインでしたが、今回はメモリーリーグに関する内容が多くなります。

メモリーリーグのシーズンとは

ところで、皆さんメモリーリーグにはシーズンというものがあるのをご存じでしょうか?
シーズンというのは、2か月かけて行う非公式の大会のようなものです。参加者は実力ごとに5つのDivisionに分けられ(各Divisionの中で人数が均等になるようにさらに2-3グループに分けられる)、2か月の中でブロック戦を行います。その結果によって昇格したり降格したりします。下の写真だとわかりやすいかもしれません。緑の人は昇格、赤の人は降格、黄色の人は隣のDivisionの黄色の人と入れ替え戦を行う、という感じです。また、シーズンの最後にはDivision1のaの上位4人とbの上位4人の計8人で決勝トーナメントを行い、優勝した人がそのシーズンの覇者となります。

試合形式は6ゲームマッチで、対戦する人は交互に種目を選びます。つまりお互い3種目ずつ選んで対戦します。相手と同じ種目を選択することはできますが、自分が同じ種目を2回以上選ぶことはできないというルールです。(名前に関してはNamesとInternational Namesのどちらかしか選ぶことはできない)3-3になったら引き分けか、双方の合意があれば決着をつける1本勝負をすることが出来ます。

このシーズンは誰でも参加できるのでぜひ気軽に参加してみてください。自分との戦いになりがちなメモリースポーツにおいて、メモリーリーグのような対戦要素は違った緊張感がありますし、対戦することから得られることも多くあります。あとは、シンプルに面白いです。初参加でも実力にあったDivisionに振り分けられますし、参加して損はないと思うので是非お勧めします。今回は僕がこの半年目標としてきたシーズンと、今年の5月にあった世界大会、5月に参加したSCCについてお話ししたいと思います。

シーズン10

東京SCCの開催が決定した昨年10月、メモリーリーグでは11月から12月にかけて行われるシーズン10の登録が始まっていました。僕自身はメモリーリーグを始めて1ヵ月経ち、全種目レベル10にも到達していたので、腕試しということでこのシーズンに参加することにしました。初参加だったシーズン10ではDivision3に振り分けられました。
この時同組だった選手の中で目立った選手はおらず、全勝でこのシーズンを終えることが出来ました。このシーズンに限って選手数の問題で無条件昇格(先述の緑色の枠)がなく、1位通過でも入れ替え戦を行う必要がありました。ただ、入れ替え戦の相手も僕にとっては相性が良く、すんなりと勝ち、昇格を決めることが出来ました。

↑全勝で入れ替え戦進出を決めた

↑入れ替え戦は5本先取 1ゲーム目こそ取られたもののその後5連取で昇格を勝ち取った

シーズン11に向けて

シーズン10で昇格を決めシーズン11ではDivision2で戦うことが決まりました。ただ、当たり前のことながらDivision2の選手は強敵ばかりで、Division3の時と同じように力のゴリ押しでは勝てません。メモリースポーツ歴も周囲と比べて明らかに短い僕には、効率よく勝つことが必要でした。

効率よく勝つためにはどうしたらいいか。僕はこの問いに対して、「3種目を得意になる」のがいいのではないかと考えました。ロジックとしては次の通りです。先ほどシーズンの試合ではお互いが3種目ずつ選ぶと説明しました。名前はどちらかしか選べないので、それぞれ選ぶことのできる選択肢は実質5つ(Cards, Images, Numbers, Words, Names or International Names)です。
ということは、自分に得意種目が3つある場合のお互いの選択は、①自分は得意なものを3つ選ぶ。②相手は僕の苦手な種目を2つ選んだら僕の得意種目の中から1つを選ばなくてはならない。という状況が生まれ、4-2で勝つ算段がつくのです。

この「3種目を得意になる」考えは12月ごろに思いつき、いろいろな考えのもと、Cards、Numbers、Imagesの3つを自分の軸とすることに決めました。(この3つになった理由はまた別の機会で話せたらなと思います)
12月頭の僕の実力は、CardsとNumbersが30秒くらい、Imagesは15秒くらいでした。そこからとりあえず年末まで、いくつかの練習法を試しながら、1ヵ月間多くの練習を重ね、年末には下の写真くらいまで記録が伸びました。正直思っていたよりは伸びなかったですが、この後もこの3種目を中心に練習し、2月のシーズン11の開幕を迎えました。

↑年末の記録 Images12秒台は十分武器になる記録

シーズン11

さて、そうこうして迎えたこのシーズンですが、自分的に難しかったことが2つありました。
1つ目は、今年から年に3回世界大会が開催されるようになり、シーズンがその大会のシード決めを兼ねるようになった(シーズン11は5月の世界大会のシード決め)ことです。このシード決めのシステムはかなり複雑なので説明を省きますが、簡単に言うと、今までは目の前の相手にただ勝てばよかったのに、シーズンを通した記録面でもよいものを残す必要が出てきたのです。このことからシーズンの試合をより戦略的に戦わなければならず、とても難しい部分でした。

2つ目は、開幕から2試合、特訓した3種目を軸に連勝したところで訪れました。それは、生放送です。Division2やDivision1の試合は時々Twitchで生放送されることがあります。僕のこのシーズンの初戦と2戦目は放送がなかったのですが、3戦目は生放送されることになりました。SCCで人に見られながらプレーすることは経験したはずでしたが、放送されながら試合を行う緊張感はそれとは別で、めちゃくちゃ緊張しました。
何とか勝てたものの、格下相手に4-2での辛勝でした。この試合以降は放送があっても緊張せずにプレー出来ましたが、この辛勝には本当に冷や汗をかきました。

結果的にはシーズン11も全勝で終えることができ、次シーズンのDivision1への昇格が決まりました。また、世界大会でのシード決めでもシード権内に入ることができました。これは3種目作戦がかなり功を奏していて、シーズンを通して自分の作戦の強みを何度も実感することが出来ました。

↑ある試合の様子 Cards、Images、Numbersできちんと勝つことが出来ている

↑シーズン11の結果 Naoki選手との試合は特に激戦だった
↑シード争いの順位表 10位以上がシード権という条件で7位に入り、シードを獲得

世界大会

さて、次は世界大会のお話ですが、具体的なものが知りたい人は小林君の記事を読んでみてください。時差調整や練習試合など、準備したところは小林君とほぼ同じです。
僕の初戦の相手はKatie Kermode選手で、単語と名前で世界記録を持っている人でした。とはいえ、僕の3本柱のImages、Cards、Numbersでは僕のほうが優勢で、この3つを中心に戦えば勝てると思っていました。
ただ、僕は試合前日の18時に寝て24時に起きる計画を立てていたのに全く寝れず、夜更かしした時の頭がふわふわしているような状態で試合に臨んでしまい、ズタボロに負けてしまいました。
しっかり計画を練っていたのに実力を出せずに負けたことは本当に悔しかったですね。小林君との練習試合も1セット目を4-0で取りながら続くセットを2-4、4-5で落とし負けてしまい、本当に悔しいです。次の大会の時にでもリベンジしたいと思います。

↑27時試合開始、1試合2~3時間という厳しい試合で勝利をつかんだ日本人選手2人は本当にすごいです

SCC

最後はSCCについてです。後編にあたる期間で僕が参加したのは東京SCCと西東京SCC(どちらも5月開催)です。1つ目の東京SCCは5月頭に行われました。このSCCは結果から言うと全部失敗で終わってしまいました。
主な理由としては練習不足です。3,4月、メモリースポーツ以外の私生活が忙しく、メモリーリーグ含め正直練習量は激減していました。少し落ち着いてすぐにSCCを迎えてしまい、散々な結果となってしまいました。
その反省から、5月末に行われる西東京SCCに向けてはしっかりと練習を積みました。平均30秒切りという目標を立て、大会の4日前から前々日までの実戦練習では連続で平均20秒台を出し、感覚的にもよく調整して迎えることができました。そのはずが…西東京SCCも全てミスで終わってしまいました。
僕は正直今もこの原因がわかっていません。前日までの練習も調子よかったし、大会の次の日も全然成功できました。緊張もしていなかったし、体調も悪くなかったです。なんででしょうかね。ただ、こういう日もあると切り替えて、次SCCがあるときはまたしっかりと調整して臨みたいと思います。自分で言うのもなんですが、このように30秒切る力があっても全部失敗してしまうこともあるので、特に初心者の方はミスを恐れずにどんどん挑戦してもらいたいです。

終わり

一応これで僕の長い1年間を振り返る記事は終わりです。

今僕はシーズンではDivision1にいて、同組の選手はとんでもない選手ばかりです。3種目がどうとか言って勝てる人たちではありません。僕の今の目標はDivision1にきちんと残留することで、そのために今は得意な3種目以外も含めて全種目磨いています。今度の世界大会にも出れたら、何とか爪痕は残したいですね。あわよくばこないだの小林君くらい進みたいとも思ってます。

自己紹介がてらとはいえ、長い自分語りをしてしまいました。今後もっと役に立つ記事を書けたらいいなと思っています。笑

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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メモリースポーツを始めて1年の人の日記(前編) https://brainsportsacademy.net/1429/ Wed, 16 Jun 2021 11:00:00 +0000 https://brainsportsacademy.net/?p=1429 こんにちは。初めまして。 BSAマガジンライターの山口です。 今年も早いもので6月になりました。僕がメモリースポーツを始めたのは昨年の6月なので、ちょうど1年経ったことになります。自己紹介にしてはあまりにも長すぎますが、...

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こんにちは。初めまして。

BSAマガジンライターの山口です。

今年も早いもので6月になりました。僕がメモリースポーツを始めたのは昨年の6月なので、ちょうど1年経ったことになります。自己紹介にしてはあまりにも長すぎますが、ここまでの1年間を振り返ってみたいと思います。本当に長いので、半年ごとに前編後編に分け、今回は前編です。

トランプ記憶との出会い

昨年の6月初旬、コロナにより大学の授業がすべてオンラインに移行し、空き時間が増えたことから新たな趣味を探していた時、平田さんが書かれたトランプ記憶の方法のブログをたまたま見つけました。そこでは「2in1」の方法を紹介していて、具体的には場所作り、変換作り、そしてイメージを1か所に2個置くことなどが書かれていました。この記事を読んだその日に、「面白そう」という気持ちと「天才の所業だ、たぶんできないな」という気持ちを両方抱えながらルートと変換を一通り作りました。その日中には52枚揃えられませんでしたが、次の日には10分ほど時間をかければ揃えられるようになっていました。この時の52枚すべてを当てられた感動は今でも鮮明に覚えています。ただ一方で、当時の段階で平田さんや小林君は30秒や40秒で覚えており、そのような次元に到底たどり着けるとは思っていませんでしたし、挑戦する気もありませんでした。

それでもトランプを覚えることの楽しさにはまってしまった僕は、毎日コツコツとトランプ記憶を続けていました。この時はトランプ記憶を競技として捉えていなかったので、練習というより覚えること自体をとても楽しんでいました。(そもそも実践すること以外の練習を知らなかった)そのような日々を送ること1か月、6月末には2分前後で覚えられるようになっていました。この頃は日本メモリースポーツ協会に載っていた過去のSCC(トランプ記憶の公式大会)の記録などを見て、もしかしたら自分はSCCに出たりできるのかもしれないと感じるようになっていました。(当時はSCCというかっこいい響きにハードルを感じていました。)

トランプ記憶から「メモリースポーツ」へ

7月は大学のレポートや試験勉強に追われ、トランプ記憶から少し遠ざかっていたものの、8月からはトランプ記憶を再開し、9月からはさらなるレベルアップのためにBSAに所属しました。そこでの練習で青木さんや小林君、土屋君などに練習法やアドバイスを多く頂きながら徐々にタイムを縮め、9月半ばに1分を切ることができました。また、ちょうどその9月半ば、青木さんにメモリーリーグなるものを勧められました。勧められる前にJapanMLC2018(メモリーリーグの大会)を観て、「トランプ以外は絶対に覚えられない、数字や画像なんて無理に決まってる」と感じていましたし、トランプ記憶以外の種目に手を出すほど本気でメモリースポーツに取り組むつもりはそんなになかったのですが(こんなにトランプ記憶してるのに)、試しにやってみるくらいの軽い気持ちでimagesをやってみたら意外と覚えられて、そのまま流れるようにメモリーリーグを始めてしまいました。数字の変換作るのが面倒だったり、International Namesに苦戦したりしましたが、1か月ほどで何とかすべての種目でレベル10にすることが出来ました。

↑メモリーリーグ初日のimages トランプ記憶の下地のおかげで苦戦しなかった

↑初めて1か月後のメモリーリーグの記録 全部レベル10にすることが出来た

東京SCCへの参加

さて、メモリーリーグも始め順調に成長していた中、11月に東京SCCが開催されることが決まり、僕も参加することにしました。10月時点の僕のリアルのトランプ記憶のレベルとしては、だいたい50秒くらい、攻めたら40秒台が出るくらいでした。その中でSCCの目標を決める時、単発では小林君に勝てないし日本記録(当時は小林君の33.83秒)も上回れない、平均記録なら周り次第では優勝できるし日本記録(当時は平田さんの49.53秒)も越えられるかもしれないと考え、平均記録狙いにすることにしました。具体的なプランとしては、1回目を守り目で50秒、2~5回目を攻め気味で45秒で覚え、平均45秒くらいで残ればいいなという感じでした。そこからは毎日SCCで使うルートを全部使い練習し、大会の1週間前の練習では目標にしていた平均45秒ほどで覚えられるまでになりました。本番はカメラでの撮影もあることから、練習の時に自分のスマホで撮ってみたりして、見られている環境にも慣れる工夫をしました。練習の仕上がりはとても順調でした。

そして迎えた東京SCC当日。SCCでは二人一組になり、試技と審判を交代しながら行うのですが、僕は小林君とペアで、僕が後に覚える組でした。後述しますが、このことは僕にとってとてもプラスに働きました。先に覚える組の試技が始まり、小林君がとんでもない速さで覚えているのを目の当たりにして、若干の緊張感を感じていました。SCC初参加だったことや、その日が小林君の密着取材中で会場にテレビカメラも入っていたことも要因だったと思います。ただ、1回目の試技で小林君があっさりと成功していて、成功イメージが湧いたというか、いい印象をもって1回目の試技に臨むことが出来ました。

リラックスして臨むことができた1回目の結果は54.69秒でした。練習と同じように覚えたつもりでしたが、やはりどこかで重圧があったのか想定より遅くなってしまいました。ただ、1回目で成功できたことからさらに精神的な余裕を持つことが出来ました。その余裕のおかげか、そこからは流れるように4回目まで成功。しかも、タイムは44.55秒、39.47秒、39.44秒と自分的にかなり良いタイムを連発し、4回目時点にして平均記録Sランク(50秒以内)を確定させることが出来ました。5回目は特攻し失敗しましたが、結果として平均記録で日本記録を樹立し優勝(46.24秒)、単発記録も自己ベストを更新し準優勝することが出来ました。

↑東京SCCで頂いた賞状 平均記録では年間チャンピオンにもなることが出来た

最後に

ここまで最初の半年にあった出来事をつらつらと書きました。この中でポイントとなるところは大きく2つあると思います。
1つ目は、楽しむことを忘れないということです。
もちろん早く覚えるために練習をすることは大事ですが、つまらないことは続けられません。継続は力なりだと思うので、継続するためにも楽しむ心は大切にしたいと思います。
2つ目は、とにかく挑戦することです。
僕自身、トランプ記憶とメモリーリーグ、どちらも始める前はできないと思っていましたが、やってみたら意外とできました。また、ある目標に挑戦して1週間ダメダメでも、その次の日に突然うまくいくときもありました。周囲と比べすぎたり、自分の中で壁を作ったりせず、まずは挑戦してみたことが成長につながったと思います。

これで前編は終わりです。長く拙い文章を読んでいただきありがとうございました。

それでは次回、後編でお会いしましょう。

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「世界の扉をたたく」 https://brainsportsacademy.net/1372/ Wed, 26 May 2021 11:00:00 +0000 https://brainsportsacademy.net/?p=1372 世界大会準優勝の記録 2021年5月14,15日に行われた世界大会(Pan American Open)で準優勝した。 今回はこの戦いの裏話として、どのように臨んだのか、どのように感じたのかを振りかえろうと思う。 強化試...

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世界大会準優勝の記録

2021年5月14,15日に行われた世界大会(Pan American Open)で準優勝した。

今回はこの戦いの裏話として、どのように臨んだのか、どのように感じたのかを振りかえろうと思う。

強化試合、世界大会前哨戦

今年はなんとメモリースポーツ界初めての試みだが、リモートで世界大会が3回ある。コロナの影響で対面の大会を全く行うことができないので、メモリースポーツを盛り上げようとリモートでシーズンのリーグ戦が3回、世界大会のトーナメントが3回あるというのだ。

世界大会ということなので、当然のことながら参加する選手の中の時間帯は国によってそれぞれだ。そんなわけで公平を期すために3回行われる世界大会のうち、アメリカ大陸の時間帯、アジアの時間帯、ヨーロッパ・アフリカの時間帯と分けられて行われることとなっている。今回の世界大会はPan American Openという名前からわかる通りアメリカ大陸の時間帯で行われた。

これが日本人に僕たちにとって非常に相性の悪い時間帯なのだ。アメリカの時間帯の昼間から夜に行われるのだが、日本にとってその時間帯は明け方から朝にかけての時間帯なのである。1回戦の時間帯は夜中の3時であった。もし勝てば準々決勝は朝の8時である。そんな時間帯に記憶をしたことは今まで一度もない。

そういうことで同じ予選を勝ち抜いた世界大会本戦入りが決定している日本人の山口選手(Yas選手)と大会の前々日に(大会前日は記憶が残ってしまう可能性があるためほとんどのメモリーアスリートは練習しない)大会と同じ形式で練習試合をしてみた。

大会の形式は2点差以上で4ゲームまたは、5ゲーム先取した選手(4-4になった場合はタイブレークというサドンデスだ行われる)が1セット制し、先に2セット先取した選手の勝ち抜けという方式で、自分にとっては初めての形式であった。

さすがにお互い学校がある平日であることもあり、大会でもないのに夜中の3時に練習試合をするというのはハードルが高すぎたため、2回戦が行われる時間帯の8時にYas選手と練習試合を行った。ちなみにYas選手とは、もしお互い勝ち抜いたとしたら準決勝で当たる予定となっていた。

結果は0-4, 4-2, 5-4と辛勝であった。練習試合であったが前々日ということともあり緊張感のある試合だったのだが、ここで大きな教訓を得た。

まず一つ目は、「きちんと起きてから頭を起こさなければ記憶がボロボロになってしまう」ということだ。1セット目はまさかの0-4のストレート負けを喫してしまったのだが、完全にこれが原因である。自分はこの日、練習試合30分前の7時半くらいに起き(実際は7時にアラームをかけたのだが寝てしまった)、そのままぼーっとしたまま8時になり試合をしたことで全く記憶ができなかった。大会当日は起きてから頭を起こすための何かをしなくてはならないと思った。

もう一つは「家の前で工事をしているため、朝8時半ごろから大きな騒音が響き、記憶どころではなくなる」ということだ。ばかばかしいかもしれないが、メモリーアスリートにとって騒音は記憶することにおいて一番の敵である。もし当日準々決勝に進んだら家以外の場所で試合をやろうと思った。

大会と同じ形式で練習試合ができたことは大きいし、試合への感覚がつかめた点でも非常に良い練習試合であった。その日は時差ボケを少しずつ調整するため20時に寝て朝の3時くらいに起きた。

世界大会1日目

大会1回戦の相手はドイツ人のBoris Konrad選手との対戦であった。彼はTED Talksにも出演したことのある神経科学者であり、メモリースポーツでも複数の世界記録を持っているかなりの実力者でもある。さらに2020年に行われた世界大会でも自分は1回戦でBoris選手と当たり、負けてしまっている。対戦の組み合わせが決まった段階から手ごわい相手であり、去年のリベンジをする絶好の機会だと思っていた。

先に述べた通り、1回戦は日本時間の日曜3時という記憶とは無縁の時間であった。練習試合の教訓を活かして、その前日は20時ごろに寝て試合1時間前の2時に起き、少し筋トレとストレッチをしつつ身体と脳を起こした。

対戦前のチャットではBoris選手が「Hi, again」と言ってきて、偶然にもちょうど1年前に同じベスト16で対戦したことに少し笑ってしまった(Boris選手はどのような感情だったのだろうか)。お互いに「Good luck!」と言い合って試合が始まった。

試合は5-3で第一セットを取り、第2セットでも2-0と勝利に向けて順調だったが、その辺りから突然睡魔が襲ってきて(そのころは4時半ごろであったので無理もない)、第2セットは3-5と負けてしまった。第2セットが終わってから10分ほど休憩があったので軽く筋トレをして気合を入れなおし、第3セットは睡魔との戦いも制し4-0とストレート勝ちして去年のリベンジを果たした。ちなみに最後の試合はまたもや眠気が襲ってきてボロボロであったが相手のミスもあり勝利した。

第1試合が終わった時点で朝の5時半ほどになっており、寝ようとも思ったが第2試合は工事の時間帯となり移動しなければいけないため、準備をしてBSAの教室に向かった。

第2試合の相手はボーランド人のJan Zon選手であった。今大会シード2位の選手であり(ちなみに自分はシード10位)、imagesが世界で一番強い(なんとベストタイムは9.42秒!!!)と言われている強敵だ。

彼とは2019年にバリ島で行われたアジア選手権で初めて出会い、年が同じ20歳(当時は18歳)であることもあり少し仲良くなり軽く会話した。その時はimagesがあまり得意ではなかったため、世界一imagesが強いと言われている彼に「どうしたらimagesが速くなるのかコツを教えてくれ」とはなしかけた記憶がある(返答はあまり覚えていない(笑))。

今大会最年少の20歳組でもあり、絶対に負けられない相手である。第1セットはお互い譲らず4-4のタイブレークとなったが最後に1点差で敗れ4-5と第1セットを落とした。第2セットは途中で1-3となり負ければ敗退の崖っぷちの状態になるも逆転し、またもやタイブレークとなり今度はcardsで勝利し第2セットは勝利した。さすがに両者疲れているので15分ほど休憩することとなった。

その休憩の間に外に出てBSAの周辺を5分ほどランニングして集中力を上げた。第3セットはこれまでと同じような展開であったが、明らかに相手のCardsとNumbersのパフォーマンスが落ちてきていた。というよりも相手は1回の対戦ごとに準備の時間が長くなっていた。察するにパフォーマンスの高い場所が尽きていたのであろう。一方で自分は割とアウトドアな性格だからということもあり、場所をたくさん作るのでそこまで問題はなかった(実際、Cardsで疲労していても、その日は10回近く安定して25秒以下のタイムを出している)。

これも性格の違いなのだろうか、そこまで3時間半にも及ぶ激闘を全力で楽しんでいる自分もいた。結果第3セットは5-3で勝利し、8時に始まった試合は11時半となっていた。もちろんここまで長く白熱した試合は初めてであった。

準決勝

準決勝の相手はイギリス人のKatie選手だった。彼女はNamesとWordsの世界記録保持者であり、その2種目で勝てる人はいないと言ってもいいぐらい圧倒的な強さを誇っている。しかし、それに対してCardsとNumbersとImagesは自分の方が勝っているので相性が良くあまり苦手意識などはなかった。

準決勝は日本時間夜中の1時に行われるので、前日は試合で疲れていたこともあり8時くらいに寝て12時に起きた。前日は1回戦の試合途中で睡魔に襲われるということがあったので、12時に起きた後今度は筋トレやストレッチをするのではなくて、深夜にランニングしに行き、さらにコンビニでレッドブルを買って飲むという行動に出た。

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準決勝からは何が出てくるのかわからないサプライズ種目というのがあり、この対戦ではスフィンクスや儀式をしている古代人の絵などの古代エジプトに関するイメージを30枚記憶するという内容だった。60秒間かけてじっくり覚え見事にパーフェクトを出して勝利して、途中のimagesで深夜の集中力の欠如からか凡ミスをして少しピンチとなるも得意のCardsとNumbersで勝利して第1セットを勝利した。

第2セットも1セット目と同じような展開になった。相手にWordsとInternational Namesで圧倒的な力を見せつけられるも(ちなみに単語では勝算がなかったので決勝のためにあまり強くない場所を使った)、Cards,Numbers,Imagesで問題なく勝利して第2セットも取り決勝に進出した。

世界一決定戦

Katie選手との準決勝を危なげなく勝利し、時刻は夜中の3時ごろになっていた。決勝の時間は8時となっておりBSAへ移動まで時間があったので2時間ほど寝ることにした。しかし、レッドブルを飲んだからか、決勝に進めるという興奮からか、あまり眠くならず横になりながら決勝戦の戦略を頭の中で考えていた。

決勝戦の相手は、特に驚きもなかったが、Alex Mullen選手であった。2015,2016,2017年に10種競技の世界大会3連覇も達成したメモリースポーツ界における神様のような存在である。実は2か月前にシーズン11のリーグ戦で対戦しておりその時は全く歯が立たず0-6と一度も勝てなかった。正真正銘の最強と呼べる相手であり、アメリカ時間での大会のため相手が絶対的に有利という状況である。

その時に負けた時は絶対に勝てないとも思ったが、今大会の自分は神がかっている。決勝に進めたのだし、勝つためにもがいてやろうじゃないか。勝算はわずかにあった。それは最初のサプライズを取りWordsとNamesとImagesをフルパワーで取りに行くことだ。相手は全種目世界トップクラスであるが、自分もこうして決勝に進出している世界トップクラスの選手だ。ひるんではいけない。

最初のサプライズ種目では大会出場選手16人の写真の順番を記録するというものであった。タイムを止めた時、少し急ぎすぎたのでは?とも思ったが、見事16人正解し12.45秒 対 12.75秒でわずかに勝利した。今思っても何であんなに早く覚えられたのか分からない。「これは本当にいけるかもしれない」と思った。

しかしその後Cardsではタイムでは0.2秒ほどわずかに上回るも40枚しか正解できず負け、続けて自分が選んだImagesでも負け1-2と逆転されてしまった。ここで気合をもう一度入れ直し、その後相手が選んだWords、自分が選んだNamesで勝利し、3-2と逆転した。世界トップ中のトップと互角に張り合えている。次でWordsを選びマッチポイントとしてやろうと思った。

しかし、Numbersで負けWordsでも惜しくも負けてしまい完全に流れを持っていかれてしまい。最後にInternational Namesで負け第1セットを3-5で落とした。そこからは疲れからかパフォーマンスが落ち0-4と第2セットはストレート負けしてAlex Mullen選手の優勝で大会は終わった。

世界大会を準優勝で終えて

正直に言って、ここまで上手くいくとは大会前は思っていなかった。大会前は組み合わせは悪くないとは思っていたものの、去年のリベンジを果たすために1回戦のBoris選手を倒すことしか考えていなかったと言ってもいいかもしれない。そのぐらい去年ボリス選手に負けたのが悔しかった。

しかし、1年前あんなに苦戦して負けたボリス選手との対戦は3セット目までいったものの、簡単に勝ててしまった。1年を通して自分が成長していることにあまり気付いていなかったのかもしれない。1年前までは世界トップクラスの選手には全く歯が立たなかったが、世界大会の決勝まで行けた。

誰が第10シードの自分が決勝に行けると予想できたのだろうか。みんな驚いていたが、自分でも驚いている。もちろん自分の記憶のスタイルである「一つ一つの戦いに集中して楽しんで勝ちに行く」という姿勢で毎試合望んでいたが、まさか決勝に進出するとは自分でも思わなかった。

世界大会で準優勝できたことは本当に嬉しい。あまり自分をほめるということはないのだが、今回ばかりは世界大会準優勝という結果を出せた自分が誇らしい。しかし、優勝したAlex選手との間には大きな壁があることを感じたというのも正直なところだ。とりわけ、自分がこれまで一番大事にしてきて武器であったCardsとNumbersで全く歯が立たなかったということがものすごく悔しいし、他の種目で勝つしかないという状況がやるせなかったこともあった。

自分がこれまで苦手だと言われてきたNamesとWordsで世界チャンピオンからポイントを取ったことは自分が成長している証拠でもあるが、まだまだ安定性が足りない。結局世界トップになるためにはもっともっと練習が必要なのだということなのだろう。

2年前に競技を始めた時には雲の上の上のような存在であったAlex Mullen選手が、世界チャンピオンになるということが目の前で見ることができた。ここまで必死に練習をやってきて良かったと思えたと同時に、世界チャンピオンになるには、まだ課題があるというのも感じたそんな大会であった。

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「kinki kidsのブンブブーンに出演しました」 https://brainsportsacademy.net/1203/ Wed, 07 Apr 2021 11:00:00 +0000 https://brainsportsacademy.net/?p=1203 今回は久々にメモリーアスリートのつぶやきを書いていきます。4月3日の土曜日に放送された「kinki kidsのブンブブーン」に出演させていただきました。“メディア出演”の記事一覧を見ていただければ...

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今回は久々にメモリーアスリートのつぶやきを書いていきます。
4月3日の土曜日に放送された「kinki kidsのブンブブーン」に出演させていただきました。
“メディア出演”の記事一覧を見ていただければわかりますが、私を含めBSAのメンバー非常に多くのメディア出演をさせていただいております。
↓メディア出演一覧↓
https://brainsportsacademy.net/category/%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e5%87%ba%e6%bc%94/

かわいいイラストです

今年は4月に入ったばかりですが、もうすでに11回、昨年はコロナ禍にも関わらず、30回ほどテレビやラジオ、雑誌などに出演させていただきました。
テレビやラジオなどのメディアでみなさんの前に登場する時間は非常に短いですが、1回出演するだけでも、実は非常に多くの時間と労力がかかっています。

おおよその流れを記載すると以下のような流れになります。

◆番組出演の流れ
①番組制作会社やテレビ局からオファーをいただく
②オファーの内容を確認し、出演の可否を検討する
③出演する場合、どのような内容にするのか打ち合わせをする
④当日までに必要な資料を用意したり、必要なトレーニングをする
⑤当日撮影を行う
⑥後日放送日までに必要な資料の送付がテロップの確認
⑦番組放送

番組に出演するには番組側からオファーがあって初めて出演する可能性が出てきます。
①〜②のオファーの段階では、メモリースポーツをやっているということで、何でも覚えられると誤解されていることが非常に多いのが現状です。
スタッフさんも悪気はないのでしょうが、番組の演出上メモリーアスリートを変わった人たちであるように演出する内容であることも多く(人によってはバカにされていると感じるかもしれません)、そのような場合はメモリースポーツやメモリーアスリートのことをきちんと丁寧に説明し、演出を変更したり、見せ方を変えることができないか打診をします。
わざわざ番組のスタッフさんも検討して下っさった上でオファーをくださるので、極力仕事はお受けしたいとは思っていますが、どうしても難しい場合は出演を断る場合もあります。
オファーをいただいても番組のコンセプトと合わないことなどが理由で企画自体がNGになることがあり、実際に放送まで至るのは半分もないかもしれません。

③〜④の段階が実は一番重要であり、「私達メモリーアスリートにできること」や「番組の演出としてどのような内容にしたいのか?」ということをすり合わせることが非常に難しいです。
一人では判断が難しい場合は、BSAメンバー複数人で内容を検討したり、番組側も複数で侃々諤々の会議をすることもあります。
実際に「限界突破!全力記憶!」や「JO1のスターギャザーTV」、「ポケんちにあつまる?」は僕が全面的に監修に入り、番組内で使用する大道具やテロップに使用する素材、台本などの制作から関わりました。
2回と同じ内容になることはなく、その時々により内容や難易度や見せ方などは変わり、本番は絶対に失敗が許されないので、この検討段階が非常に神経を使い難しいです。

今回の番組では、生見愛瑠さんの特技としてメモリースポーツに挑戦したいということで、「15〜20分程度でレクチャーし、練習に移り、すぐに本番で成果を見せる必要がある&視聴者にとって見栄えがあるもの」という依頼でした。
メモリースポーツの花形であるトランプ記憶をやることにしましたが、今回は制限時間が非常に短いことや演者の方の負担の兼ね合いから枚数を15枚にしぼり2分で記憶するという内容にしました。イメージも事前にこちらで覚えやすいものを用意し、それを見ながら行うということで、なんとかその問題を解決しました。2分間で簡単にでき過ぎず、でき過ぎない境界を予測し、1回目よりも2回目の結果がよく出るような内容を検討することが非常に大変でした。
今回の番組では少しでも当日の撮影時間を確保するために、僕の実演は事前撮影で行ったので、別日に数時間撮影しました。(番組内で放送された時間は1分程度でした)

⑤当日はkinki kidsさんも生見愛瑠さんも次に撮影があるということで撮影時間は2〜3時間程度で終了するという非常に短い撮影時間でしたが、通常は1時間番組の場合は朝から晩まで撮影することは珍しくありません。
テレビ番組の撮影時間は非常に拘束時間が長く緊張もするので疲れます。
ただ一番楽しいのもこの時間であり、撮影の合間に演者さんとお話をしたり、写真を撮ってもらったり、サインをいただくこともできるので、なかなかできない貴重な時間です。
これだけたくさん番組に出演させていただいていると演者さんとは何回も共演することになり、顔を覚えてもらい「久しぶりですね!」と声をかけてもらえると非常に嬉しい気分になります。今回の共演させていただいたkinki kidsの堂本剛さんや生見愛瑠さんとは初めてだったので、初めましてから始まり、お二人がやられているラジオの話などで盛り上がりました。
写真も撮ってもらいましたが、インターネットにアップすることができないので自分だけの宝物です。

⑥撮影後から放送日までの間に差し込みで使用する写真を撮影したり、テロップに書く内容に間違いがないかなどの確認をします。写真には肖像権があったりするので、その確認なども一苦労です。

⑦そんな長い過程がありようやく番組が放送されます。もちろん制作会社さんやテレビ局の方が一番大変ではありますが、専門的な部分や関係者への連絡などはこちらでしなくてはならないので放送される瞬間の喜びは一入です。

トランプ記憶成功させました!

今回の「kinki kidsのブンブブーン」は制作会社さんやADさん、ディレクターさんなどが非常に優秀な方だったので、ほとんどトラブルなどスムーズに進みました。制作会社さんやテレビ局さんには非常に感謝です。

今回は読者の皆さんに番組出演は意外にもものすごい時間と労力をかけて出演しているということをお伝えしたくてこのような記事を書きました。
ちなみに、番組出演のギャラについてはよく質問を受けますが、皆さんが想像しているよりもずっと少ない額です。普通にアルバイトをする方が稼げると思います。メモリースポーツが好きで少しでも広めたいという気持ちがないとなかなかできないでしょう。

BSAには毎月かなりの数のオファーが来るので、もしメモリースポーツなどでメディアに出演したいという方がいらっしゃいましたら、BSAメンバーになり実力をつけることができると番組に出演できるかもしれません。
BSAでは現在2021年5月生を募集中です。皆さんの加入をお待ちしております!

↓BSA2021年5月生の申し込みはコチラ↓
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdOB3NYc9SioWDu9hqMMKrs8cf9TbbEoaSUxMl33gp3vZT2rw/viewform

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「メモリースポーツは復帰しやすいのか?」 https://brainsportsacademy.net/1070/ Wed, 03 Feb 2021 11:00:00 +0000 https://brainsportsacademy.net/?p=1070 初めましての方は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。メモリーアスリートの平田です。 みなさん、メモリースポーツしてますか? 毎日やっている!というアスリートの方もいれば、たまに気が向いたらやるよという方もいたり。...

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初めましての方は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。
メモリーアスリートの平田です。

みなさん、メモリースポーツしてますか?

毎日やっている!というアスリートの方もいれば、たまに気が向いたらやるよという方もいたり。ペースや楽しみ方は人それぞれだと思います。
中には、一度やってみたけれど続かずに終わってしまった、という方もいるかもしれません。

かくいう私も実は半年ほどお休みをしていました。

でも、最近また復活して、メモリーリーグ(オンラインでメモリースポーツをできるサービス)を始めました。

メモリーリーグのホーム画面


一度お休みしたら、「もう記憶術を使えなくなるんじゃないか」「やっていた頃のタイムに戻らなくてつまらないのではないか」と不安になる方も多いでしょう。アスリートもよく「1日練習を休めば取り戻すのに3日かかる」と言いますよね。

そこで、今回は実際にメモリースポーツをお休みし、再開した私が「メモリースポーツは復帰しやすいのか?」というテーマでつぶやこうと思います。

結論から言うと、使う記憶術の種類や競技の種目によって「元の感覚に戻る速度」は異なりますが、結果的にはどれも感覚を取り戻すことはできます。

最も復帰しやすい「顔と名前」

半年間休止した後に復帰して、一番早く元の感覚に戻ったのは「人の顔と名前」でした。メモリーリーグで言うと「Names」や「International Names」という種目になります。

International Namesの記憶画面


そもそも「人の顔と名前」は他の種目ほど効果的な記憶術が無いため、復帰しやすかったです。しかし、数回やり直せば覚える時の感覚はすぐに取り戻せた一方で、思い出すときの粘り強さは少し取り戻すのに苦労しました。

顔と名前は、思い出す手掛かりが他の種目と比べて少ないため、1度目で思い出せなければなかなか思い出すのが大変です。毎日記憶を続けていた頃は、それでもなんとか絞り出して+数人を思い出すことができていました。その感覚は何度も続けることで「絞り出すコツ」が何パターンも体に染みついていたからこそ持てていたのですが、半年ぶりにやるとこの絞り出しはほとんどできなくなっていました。


結論を言えば、「人の顔と名前」は10割までパフォーマンスを戻すには少し時間はかかりますが、9割まではすぐに戻ります。最も復帰しやすい種目と言えるでしょう。

そこそこ復帰しやすい「単語」と「イメージ」

「顔と名前」の次に戻りやすかったのが単語(Words)と、やや次点でイメージ(Images)です。
これらは「場所法」という効果的な記憶術を使っているため、「場所に置く」という感覚を取り戻さなければ元のパフォーマンスまで戻すことはできません。

Wordsの記憶画面


半年ほど場所法を使っていないと、予め持っていた場所自体も弱くなってしまいます。半年ぶりに使うとなると、まずは新たなものを記憶する以前に、そのルート内のプレイスを順番に思い出す必要があります。

よく使っていた場所であれば、数回ルートの中を順にたどっていけばプレイスは全て思い出せます。しかし、実際に単語やイメージを覚えるとなると、やはりタイムは落ちてしまいます。
場所に置く感覚は比較的取り戻しやすいのですが、場所自体を素早く移動するという感覚の方が取り戻すのに苦労しました。

頭の中で事前に場所を何度も確認するということをしないと、復帰前の6割ほどのパフォーマンスになってしまいました。記憶する前に何度も場所を繰り返したどり、スピード感覚を掴んでから行うと、8割程度には記憶できました。
単語で言うと全盛期が1分で46~50個安定していたのが、40前後くらいになりました。この後も毎日繰り返し使っていったところ、45個前後の9割の状態まで持っていくことができました。

イメージも同様です。トップスピードまではなかなか戻らなかったのですが、8割くらいのスピードには、何度も場所をたどって思い出すことで取り戻せます。
イメージに関して言えば、鮮明に場所に置かなくても、選択肢から答えを導けることが多いので、「どれだけ雑にイメージしてもギリギリ思い出せるのか」という境界を突いて覚えることがタイム短縮に必要なポイントです。

半年間のブランクがあると、そのギリギリを突く感覚が失われてしまっていました。そのため、かなりゆっくり時間をかけて、リコールが簡単すぎるくらいになってしまったり、反対にスピードを無理に出しすぎて全くリコールができなかったりということも起きました。

全盛期は、「相手の方がベストタイムが遅いから90%の確率でパーフェクトがでるくらいの精度で、全速の80%のスピードを出そう」とか「ここは攻めたいから50%の確率でパーフェクトがでるくらいの精度で、自己ベストに近いスピードで覚えよう」などの調整ができたのですが、ブランク開けだとその調整があまりできなくなっていました。ここが復帰前と後の最大の違いかなと思います。

復帰してから、色んな相手と戦うことで、この調整の感覚は掴めてきました。

最も復帰しにくい「カード」と「数字」

一番復帰に時間がかかったのがトランプ(Cards)と数字(Numbers)です。
この2つの種目は、前述した場所法という記憶術を使うのに加え、「変換」という作業も加わるため、感覚を取り戻すのに時間がかかりました。

Cardsの記憶画面


トランプや数字は、イメージのようにそのまま画像として覚えているのではなく、「ハートのA」を「灰皿」のように一度画像に変換した上で、場所に置いて覚えています。他の種目より1工程多いということですね。

そのため、変換の速度も戻さないといけないので、復帰に時間がかかります。
場所に置くという感覚は、一度感覚を掴んだことがあれば、しばらくブランクがあっても思い出せます。自転車のような感じで、しばらく乗っていなくても乗れる人はすぐ乗れるようになるというイメージです。
しかし、変換はそうは行きません。変換は無機質な物を有機的なイメージだと思い込む条件反射です。これはしばらくやっていないと、条件反射で思い浮かばず、一度思考を挟んでしまうということになってしまい、なかなか思い出せません。個人的には言語のようなものだと思っています。英語をしばらく使っていないと、すぐに思い出すのは難しいですよね。その感覚に近いです。

全盛期の時は「無意識」のレベルに持って行っていたのに、ブランクがあると「意識」に戻ってしまうんですね。「ハートのA」を見た時に、昔はそのまま「灰皿」のイメージが頭に浮かぶほど刷り込まれていたのに、今は「えーと、はいだから灰皿か」と思考を挟んでしまうようになるんです。そのためぐっとタイムは落ちてしまいます。

変換に「意識」が混ざると体感パフォーマンスは6-7割に落ちます。実際、復帰前はトランプ1組28-30秒くらいが安定していましたが、復帰後はしばらくやっても40秒前後に止まってしまいました。変換の壁を乗り越えないと、やみくもに練習してもあまり取り戻せなかったです。


そこで、しばらくは変換練習を繰り返し行って、もう一度「意識の壁を超える」ということをやりました。完全に元の状態には戻っていませんが、それに近い状態にはなったかなと思います。それでもタイムは良くて35秒とかなので、まだ少し時間がかかっちゃうなという印象です。数字も全く同じです。

ということでまとめると、復帰してから元のパフォーマンスを取り戻すまで、種目によって大きく異なってしまうということが分かりました。
顔と名前は比較的すぐ戻り、単語とイメージは場所を復習すれば戻り、カードと数字は変換の感覚をもう一度取り戻さないと戻らないです。

それでも半年休んだから取り戻すのに1年かかるほどの大変さはありませんでした。数か月あれば8-9割くらいのパフォーマンスには戻ると思います。スポーツにもよりますが、他のスポーツよりかは復帰しやすいのかなと思いました!
実際、少し活動を休止していた世界チャンピオンが久しぶりにメモリーリーグをやっているところを見ても、そんなにパフォーマンスが落ちずに戦えています。

復帰をしたときの練習のコツなのですが、やみくもに量を重ねるのではなく、
①使う場所を何度も辿る
②カードと数字の変換練習をする

と言った基礎練習に重点を置くべきです。

そうすることで効率的に復帰できると思います。

もちろん毎日継続してやっているのが良いに越したことはありませんが、人間そんなうまくはいかないものですよね。自分も一度お休みしてしまったのでよく分かります。

ただ、一度辞めてしまったからと言って、これまでの努力が無駄になることは絶対にありません。自分のタイミングで良いのでもう一回復帰してみる、というのも素敵な選択だと思います!


もし今休止している人がいれば、安心して気軽に帰ってきてみてはいかがですか?

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Japan MLCを振りかえって https://brainsportsacademy.net/932/ Wed, 06 Jan 2021 11:00:00 +0000 https://brainsportsacademy.net/?p=932 12月20日にJapan Memory League Championship(Japan MLC)が行われ、優勝することができた。今回は大会について振り返っていく。 Japan MLCへの意気込み 2020年はコロナウ...

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12月20日にJapan Memory League Championship(Japan MLC)が行われ、優勝することができた。今回は大会について振り返っていく。

Japan MLCへの意気込み

2020年はコロナウイルスの影響でメモリースポーツの大会が次々と中止になってしまっていた。今年は日本一を決める10種競技の大会である「ジャパンオープン」も開催できず、 長い間大会がなく目標がないため、モチベーションを失ってしまう選手もいるという状況だった。

今回のJapan MLCも、元々3月に開催される予定だったが延期となり、年内に何とかリモートで開催できるようになったという状態だった。

今年はJapan MLCが日本で一番のメモリーアスリートを決める唯一の大会となったのだった。

自分は日本記録は10種競技とSCC(トランプ記憶のみの大会)で持っているが、「日本チャンピオン」というタイトルはSCCシーズンチャンピオンのタイトルのみで、1つの大会で獲得できる日本チャンピオンのタイトルは持っていなかった。

メモリースポーツを始めて1年と半年弱、全力で取り組んできた自分にとってこのJAPAN MLCで優勝して日本チャンピオンになることは悲願だった。大会当日は「絶対に優勝してやる」という気持ちで大会に臨んだ。

グループリーグ

今回の大会は、出場する12人名の選手が、4つのグループに分けられ、各グループ1位の選手と各グループ2位の中で成績の良かった上位2名の選手が決勝トーナメントに進出できるというルールだった。

自分はグループCで、同グループは、日本人のNori Tanaka選手と台湾代表のfunDunFish選手だった。

初戦はNori Tanaka選手との対戦で、日本では有名な選手なのでよく知っている相手だった。相手選手が先攻でNumbersを選び、自分は38秒で覚えた。記憶中に2桁ミスがあり結果は78桁であったが、相手のスコアが69桁であったため勝利することができた。

1か月前にSCC(トランプ記憶の大会)に出場したものの、対戦形式であるメモリーリーグの大会は5月のリモート形式の大会から半年ぶりだった。SCCは対戦形式ではないため、自分の成績だけを考えれば良いのだが、メモリーリーグの大会は1対1の戦いであるため、相手選手のことを分析し、どのように戦うかを考えて記憶しなければいけない。

さらに、大会にはかなり気持ちが入っていた(入ってしまっていた)ということもあって、初戦は緊張してしまっていた。

他のスポーツでは自分の士気を上げ、気合を入れアドレナリンを出すと、いつもの練習より良い動きができるということがあるが、メモリースポーツは体を動かさない「静」のスポーツなので、常に冷静の状態で脳内を落ち着かせる必要がある(武道に近いのだろうか)。熱い気持ちを持っていても、心拍数を上げずに心の底にとどめていなければいけない。

静かに集中しなければいけない.

そのことに改めて気付かせられた初戦の第1セットの後は、Cards,Images,International Namesの3セットとも勝ち4セット連取で初戦を終えることができた。

その後、台湾代表のfunDunFish選手との対戦では、Wordsで49というハイスコアを2回出せたこともあり、4セット連取し、グループリーグを無傷の全勝で終えることができた。Wordsがいつもの練習より調子がよかったので、「決勝トーナメントでは武器になるな」と思っていた。

決勝トーナメント

決勝トーナメント初戦(ベスト6)は日本人のshinhiro選手との対戦だった。2019年のTokyo MLCでは準決勝で対戦し、そこでは勝利したものの苦戦した相手なので、かなり気を引き締めて試合に臨んだ。

自分はグループリーグ1位通過だったので、3セット連続で選べる権利を持っていた(ベスト6は、3セット先取で勝ち上がり)。自分が得意で相手選手があまり得意ではないInternational Names,Words,Cardsを選び、危なげなく3連勝して準決勝に進出することができた。

準決勝は、前回大会Japan MLC 2018で優勝した日本チャンピオンのNaoya選手との対戦。順当にいけば当たる選手だと思っていたが、いざ対戦となると想像以上に緊張感が込み上げてきた。

前回大会優勝の相手選手はシード権があったので、決勝トーナメント1回戦がなく、シードで準決勝からで1試合休むことができた。さらに準決勝からはサプライズという種目があり、大会オリジナル問題を覚えなくてはならない。サプライズというその名の通り、全選手が事前に問題を知らされていないので、60秒の間でどう覚えるのかを判断し、即興で覚えて対応しなくてはならない。サプライズ問題ではあるが、問題が出た瞬間に驚いていたら貴重な60秒間がなくなってしまう難しい種目だ。

記憶力以外にどう覚えるのかを判断する発想力も求められる。自分は地頭が良い方ではなく、発想力を求められるようなことは苦手である。

一方、対戦相手のNaoya選手は自分より競技経験も長くとにかく賢い。しかし、相手に先行種目の決定権を取られているため、サプライズ種目で負けるということは敗退を意味していた。頑張って気合で覚え勝つしかない。

そして、サプライズ種目が始まった。なんと最初に出てきたのはアルファベットの「U」、次々と覚えているとアルファベットの記憶であった。途中でビックリマーク「!」なども含まれているため、記憶中には気づかなかったがアルファベット26個+「!」などの記号4つの記憶であった。

自分はどんな問題にでも対応できるように場所法ではなくパーソン法(人に動作をさせて覚えさせる記憶法、勝手に自分でそう呼んでいる)を使った。
自分はアルファベットをその頭文字が付く英語の言葉に変換し30人の事前に準備した人とストーリーを作って覚えた(最初の「U」の記憶であれば、1人目の人がUFOに連れ去られてるイメージなど)

自分はパーフェクトを出し、相手選手もパーフェクトを出した。しかし、自分は57秒で覚えたのに対し、相手選手は、60秒フルに使って記憶したため、サプライズは勝利することができた。(正直、回答が終わった時は相手はもっと早く覚えているだろうから駄目だと思っていた)

その後はお互いが選んだ種目をお互いが取り、2-1の状況になった。あと1ゲーム勝てば決勝進出の場面で相手選手はImagesを選んできた。

「この対戦で落としても、次の対戦は自分が選ぶ種目だし(その日絶好調のWordsを選ぶ予定であった)、一方相手は負ければ敗退のがけっぷちの状況なので、「パーフェクトを狙って安全にいこう」と思っていた。

自分は23秒でパーフェクトを出し、相手は17秒で覚えたが3枚外してしまったので、勝利し決勝トーナメント進出が決まった。次の種目を選ぶ心の準備はできていたが、かなりホッとした。サプライズ種目で勝てたのが肝だった。

世界チャンピオンとの決勝戦

準決勝が終わり、それから5位決定戦や3位決定戦が行われるため決勝戦まで1時間半ほど時間が空いた。そのため準決勝戦の試合が終わった後すぐにリラックスするため外に出て歩行瞑想をした。歩行瞑想とは歩きながらする瞑想のことで、歩く中で両足の裏が地面に触れる感覚に全部の意識を集中しながら歩くというものだ。(これが結構難しい)
さらに、家に帰った後もまだ時間が空いていたため10分間ほど呼吸に意識を集中させるシンプルな瞑想を行った。

全集中

自分は、大学受験の勉強していた時(高校はスポーツ推薦なのでちゃんと勉強するのが大学受験で初めてだった)に時計のカチカチする音がうるさくて、集中できず時計を捨てたという話があるほど(薄い内容の話だ)、じっとしていることが苦手で集中力のない人間なので、このように自分の意識を一点に集中させるトレーニングを時々行っている。(まさに全集中の呼吸だ)

そしていよいよ決勝戦の時がきた。決勝戦の相手は2012年と2018年に10種目で世界チャンピオンになったことのあり、メモリーリーグの2015年のメモリーリーグの世界選手権でも世界チャンピオンになっている大会最強のJohannes Mallow選手だ。何回か練習で対戦したことがあるが、毎回ボロ負けで勝ったことはなかった。

決勝も第1種目はサプライズだ。決勝戦のサプライズの問題は数式が並べられていた問題だった。途中でシグマ(Σ)の記号とかが出てきて「高1から数学やってねえからこの気持ち悪い文字は何だ!わかんねえよ!」と思いつつ、数字の部分を何とか変換し覚えたが、19枚目で60秒間が終わってしまい、結果22-28で第1ゲームは負けてしまった。
(ちなみにJohannes Mallow選手は脳科学の勉強を大学院でやっていたため数式は自分よりもはるかに馴染み深かった!)

決勝のサプライズ問題

高校時代の自分はスポーツクラスで、スポーツクラスの先生には数学を教えられる先生がおらず、強制的に文系の道になってしまったので、「なんで高校時代のスポーツクラスに数学教える先生いなかったんだよ!」と大会には全く関係ないどうでもいいことに苛立ちつつ(自分は集中力のない人間のため、重要な試合でこのようなことを考えてしまう)、次のセットために気持ちを切り替えた。決勝戦は4セット先取した選手が勝利するため、準決勝と比べてまだ多くのチャンスが残されていた。

自分が先攻であったので、2セット目は、相手選手が苦手なInternational Namesを選び手堅く勝利することができた。これで1-1だ。
次の3セット目で相手選手はCardsを選んできた。これまでの相手選手との対戦でCardsでは勝ったことがなかったため、相手選手は自信をもって選んできたのだろうと思った。しかし、準決勝の後に1時間ほど瞑想した自分は集中力を極限まで高めており、大会最高記録の24.93秒で52枚のカードを全て覚え相手選手は25秒であったため勝利した(24.93秒は10種目の大会やSCCも含めて日本人で最も速いタイム)。

4セット目では、その日絶好調であったWordsを選び勝利し優勝まで王手をかけたものの、5セット目は相手選手がNumbersを選び、そのセットは取られてしまった。これで3-2となった。次勝てば悲願の優勝。ここで自分は自信をもってCardsを選んだ。

最後のセットは25.92で52枚を完璧に覚えた。相手選手は27秒だったためそのセットを勝利しJapan MLC 2020を優勝することができた。

大会で最も多くの試合をしたにもかかわらず、決勝の最後のセットまで高いパフォーマンスを発揮できたことが、優勝できた理由であったと思う。準決勝の後にそれまでの疲労を回復し、さらに集中力を高めることができたことも良かった。そして何より毎日何時間もトレーニングしてきたためスタミナがついていたのであろうと思う。

競技を始めてから1年と半年、この日のために必死にトレーニングしてきたことが報われた最高の瞬間であった。

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